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妊娠初期のおりものは問題ない?生理前との違いや色・量についても解説

おりものは健康のバロメーターとして役立ちますが、おりものの状態で妊娠の可能性を知ることもできます。

おりものの変化を知るためにも、普段から自身のおりもの状態を把握しておきましょう。

本記事では、妊娠初期のおりものの特徴について詳しく解説するとともに、生理前のおりものとの違いや色、量などについても紹介しています。

生理前や妊娠初期などさまざまなタイミングにおけるおりものの特徴を知り、ぜひ妊娠の兆候に気づけるようにしておきましょう。

目次

妊娠初期のおりものの状態

まずは、妊娠初期のおりものの状態について解説します。

サラサラで白や黄色に濁る

妊娠初期のおりものはサラサラとした状態で、白や黄色に濁る傾向があります。おりものの変化には妊娠中に分泌されるホルモンのエストロゲンが関係しています。

通常、エストロゲンは生理前にかけて徐々に分泌量が減りますが、妊娠中はエストロゲンの分泌が増加します。そのため、おりものの量が増えるとともにサラサラと水っぽさを増したり、色が変化したりします。

生理前のおりものとの違い

妊娠初期と生理前のおりものの違いについて次の表にまとめました。

生理前と妊娠初期の違いは、おりものの量や粘性で見分けられそうです。おりものの状態で妊娠の可能性をチェックしたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

スクロールできます
項目生理前妊娠初期
減る
(女性ホルモンの分泌量が減るため)
増える
(女性ホルモンの分泌量が増えるため)
白、黄色ピンク色
(生理前に経血が混じるため)
白、黄色
ピンク色、茶色(着床出血が混じるため)
粘性強い弱い(サラサラしている)
匂い酸っぱい匂いが強まる酸っぱい匂いが強まる

おりものは体調の変化を表す重要な分泌物

おりものは体調の変化を表す重要な分泌物です。そのため、普段からおりものの状態を気にかけてみてもよいでしょう。

ここからは、おりものの役割や特徴などについて詳しく解説します。

おりものの役割

おりものは、子宮や膣からの分泌物をはじめ、子宮周辺の古い細胞やバルトリン腺や汗腺などのさまざまな分泌液が混じり排出されるものです。

おりものには自浄作用と受精のサポートの主に2つの役割があります。おりものの自浄作用では、膣内に細菌やウイルスの侵入を防ぎ、繁殖を抑制しています。

また、受精のサポートでは精子が卵子までスムーズに到着できるよう、膣から子宮までの流れを助ける潤滑剤としてはたらいています。

汚いものと認識している方も多いですが、おりものは女性の健康を守り受精を助ける明確な役割を持つことも把握しておきましょう。

生理周期から見るおりものの特徴

おりものの状態は、卵胞期、排卵期、黄体期、生理前の4つの生理周期にあわせて変化します。

ここでは、生理周期から見るおりものの特徴について解説します。

生理直後や卵胞期

卵胞期は、エストロゲンの分泌量増加に伴い、子宮内膜が徐々に増殖する時期です。生理直後や卵胞期のおりものは、普段よりも量が少なくなる傾向があります。

粘性がなくサラサラとした状態で、生理が終わる直前の経血と混じり茶色やピンク色を示すこともあります。

排卵期

排卵期は、エストロゲンの分泌量が最大に達し、排卵が起こる時期を指しています。卵胞期から排卵期にかけては、女性ホルモンの増加に伴いおりものの量も増加する傾向にあります。

また、卵の白身のような粘性を持ち、透明もしくは白濁した状態になります。

黄体期

排卵後、もともと卵子が存在していた卵胞は黄体と呼ばれる組織へ変化し、プロゲステロンの分泌量を増加させます。黄体期は、プロゲステロンにより子宮内膜を妊娠しやすい状態に成熟させる時期です。

排卵期から黄体期にかけては、女性ホルモンの減少に伴いおりものの量も徐々に減少します。粘性を持ちますが、色は白から黄色に変化します。

生理前

生理前のおりものは、女性ホルモンの影響で再び量が増加します。引き続きどろどろとした粘性を持ち、白濁した状態でにおいが強くなる特徴があります。

おりもの異変から考えられる病気

おりものの状態の変化は生理前や妊娠のみならず、病気が関与している場合があるため注意が必要です。

ここからは、おりものの異変から考えられる病気について詳しく解説します。

普段とは異なるおりものの状態が気になる方でかゆみや痛みなどの症状がある場合、なるべく早く婦人科を受診しましょう。

カンジダ膣炎

カンジダ膣炎は、カンジダ菌と呼ばれる常在菌により引き起こされる病気です。

カンジダ菌は通常女性の体内に存在していますが、疲れやストレスなどが原因で体の免疫力が低下したときやホルモンの変化により発症する可能性があります。

年齢を問わず女性であれば起こりうる疾病で、約五分の一の女性が経験するともいわれています。

カンジダ膣炎を発症すると、おりものの量が増加し、カッテージチーズのようにポロポロと崩れ落ちるような状態に変化します。おりもの特有の粘性が失われるため、異変に気がつきやすい疾病でもあります。

また、おりものの変化に加え、外陰部のかゆみや熱感、性行為の際の痛みが生じる特徴があります。

クラミジア感染症

クラミジア感染症は、クラミジアクラミジア・トラコマチスと呼ばれる細菌により引き起こされる病気です。

クラミジアは性感染症ともいわれており、主に性行為で感染します。年齢を問わず発症リスクのある病気ですが、とくに若い世代の感染者が多く、男性よりも女性の罹患率が高いことも判明しています。

クラミジア感染症に罹患すると、おりものの量が増加し、おりもの特有の粘性がなくなり水っぽさが出ます。また、悪臭をともなうため、普段との違いに気がつきやすい疾病でもあります。

おりものの変化のほか、発熱症状や下腹部の痛みが認められるケースもありますが、まったくの無症状の方もいるため注意が必要です。

子宮がんや子宮頚管ポリープ

子宮がんは、子宮の入り口付近にできる子宮頸がんと、子宮の奥にできる子宮体がんの二種類があります。

子宮がんの患者にはヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が99%で認められているため、性行為によるHPVの感染が影響していると考えられています。

子宮頸管ポリープは、子宮の入り口にポリープと呼ばれる良性腫瘍ができる病気です。

子宮頸管ポリープの発症原因は未だ解明されていませんが、女性ホルモンの影響やその他の感染症による炎症などが要因として考えられています。

子宮がんや子宮頸管ポリープに罹患した場合、不正出血によりおりものに血が混じり、ピンク色や茶色に変色します。生理直後でもないのにおりものに血が混じる場合、原因を特定するためにも婦人科の受診をおすすめします。

淋菌感染症

淋菌感染症は淋病とも呼ばれており、淋菌が原因で発症する病気です。性感染症の一種でもあり、おもに性行為による粘膜感染により発症し、非常に感染力が強い特徴があります。

淋菌感染症を発症した場合、おりものの量が増え、腐敗臭のような悪臭が生じます。

また、おりものの変化のほか、発熱症状や下腹部の痛みが認められるケースもありますが、まったくの無症状の場合もあるため注意が必要です。

細菌性膣症

細菌性膣症は、膣内細菌のバランス崩壊により引き起こされる感染症です。膣内には常時、さまざまな細菌が存在しており、乳酸桿菌と呼ばれる菌により膣内が適切な酸性状態に維持されています。

乳酸桿菌による酸性状態の維持は、感染症を引き起こす細菌の増殖を防ぐ効果があります。

しかし、細菌性膣症を発症すると乳酸桿菌が減少するため、他の細菌の増殖を防ぐ作用が低下し、常在細菌が必要数以上に増殖します。

細菌性膣症の明確な感染ルートは特定されていません。ただし、細菌性膣症の患者は性行為経験の有無を問わず、子宮内避妊器具(IUD)を使用している場合にも罹患が見受けられます。

細菌性膣症を発症した場合、おりものの色が灰色に近い状態に変化するとともに、量が増えて魚のような生臭い匂いが生じます。また、おりものの変化のほか、外陰部のかゆみや刺激感をともなうケースもあります。

おりもののみで妊娠を判断できる?

ここまでおりものの変化について解説してきましたが、おりものの変化のみで妊娠を判断できるのかどうか気になる方も多いのではないでしょうか。

ここでは、おりもののみで妊娠を判断できるのかどうかを解説します。

おりもののみでは判断しにくい

結論からいうと、おりもののみで妊娠の判断をおこなうことは非常に困難です。理由は、おりものの量や状態には個人差が非常に大きいからです。

妊娠していない状態でもすべての女性のおりものは同じ状態ではなく、分泌量も人により少なかったり多かったりします。

また、おりものは生理周期にあわせて変化する特徴がありますが、すべての女性が同じように変化を得られるわけではありません。そのため、妊娠の有無を判断するためのおりものの活用は難しいと考えられるでしょう。

ただし、妊娠すると体温が普段よりも上昇するため、基礎体温の計測とあわせておりものの変化に注目してみましょう。

おりものが妊娠中に見られる状態に合致しており、基礎体温の上昇がしばらく続いている場合には、妊娠の可能性があると推測できるでしょう。

普段とは異なる変化に気づけるようにするためにも、自身のおりものを普段からチェックし、基礎体温をつけておくことをおすすめします。

妊娠初期症状は性行為後1~2週間で現れる

妊娠初期症状は一般的に性行為後1~2週間で現れます。妊娠初期症状が現れるタイミングは生理予定日に近いため、PMS生理前の不調と間違えやすいため注意しましょう。

おりもの以外で判断する代表的な妊娠初期症状

ここからは、おりもの以外で判断する代表的な妊娠初期症状について詳しく解説します。

少量の出血が見られる

妊娠初期症状として、着床出血と呼ばれる少量の出血が見られる場合があります。少量の出血は受精卵の着床がきっかけで起こり、生理と間違いやすいため注意が必要です。

ただし、生理と比較すると出血量が少なく、約1日から3日で出血が止まるため見分けることも可能です。また、着床出血はすべての方に見られる妊娠初期症状ではなく、約4分の1の確率で起こると考えられています。

便秘や下腹部が張る

妊娠すると、便秘や下腹部の張りを感じるケースもあります。便秘は妊娠に伴うホルモンの影響により腸の動きが弱まることや、妊娠中の自律神経の乱れやつわりによる栄養バランスの偏りなども原因として考えられています。

また、下腹部の痛みや張りは子宮の状態変化により引き起こされます。通常、子宮は卵一つ分の大きさほどしかありませんが、胎児の成長に伴い子宮は徐々に大きくなります。

妊娠前の子宮の容積は約2mlであるにもかかわらず、出産直前には約5,000mlにまで広がることも判明しています。

微熱が続く・体がだるい

妊娠中は、微熱が続いたり体のだるさを感じたりしやすくなります。妊娠していない場合の体温は、生理前に高くなり、生理になると徐々に落ち着いてきます。

ところが、妊娠すると生理予定日をすぎても体温が高く保たれたままの状態が生じるため、微熱のような状態がしばらく続く方も多いことが知られています。

また、妊娠中に多く分泌されるプロゲステロンと呼ばれるホルモンにより、体のだるさが生まれます。妊娠中は強い倦怠感により日常動作を億劫に感じるケースもあるようです。

食欲が安定しない

妊娠すると食欲が安定しない状態に陥るケースもあります。妊娠中は食欲不振になったり、反対に食欲旺盛になったりもします。

食欲に関する体の変化はつわりの一種と考えられており、味覚や嗜好が変化するケースもあるようです。特定の食品しか食べられなくなる場合をはじめ、好物だったものを食べられなくなるケースもあります。

体にむくみ・肌トラブルが多くなる

妊娠初期症状として、体のむくみや肌トラブルが起こりやすくなることも知られています。

妊娠中はホルモンの一種であるエストロゲンの増加により体内に水分が滞留しやすくなるほか、多くの血液が必要となるため体内の血液量が増加します。

体内の水分量と血液量の増加により手足のむくみが起こりやすい状態になるため、適度なストレッチをおすすめします。

また、塩分の多い食事は喉の乾きにより水分摂取量が増え、さらなるむくみを引き起こす原因となるため注意しておきましょう。

妊娠中は肌が敏感になるため、従来よりも肌トラブルが多くなる傾向にあります。にきびや湿疹ができやすい状態になったり、従来使用していた化粧品や化粧水などが合わなくなったりする場合もあります。

また、妊娠中の肌はメラニン色素が増えやすい状態となるため、シミやそばかすを予防するためにも紫外線対策をおこないましょう。

まとめ

妊娠初期のおりものは妊娠中に分泌されるエストロゲンの影響を受け、サラサラとした状態で白や黄色に変化します。生理前と妊娠初期のおりものを見分ける場合、量や粘性をチェックしましょう。

また、おりものは体調の変化を表す重要な分泌物であるため、普段から状態を気にかけておくことをおすすめします。おりものには自浄作用と受精のサポートの主に2つの役割があります。

汚いものと認識している方も多いですが、おりものは女性の健康を守り受精を助ける明確な役割を持つことも把握しておきましょう。

また、おりものの状態の変化は生理前や妊娠のみならず、性感染症や子宮がんなどの病気が関与している場合があるため注意が必要です。

普段とは異なるおりものの状態が気になる方でかゆみや痛みなどの症状がある場合、なるべく早く婦人科を受診しましょう。

おりものの変化で妊娠の判断をおこないたい方もいるかもしれませんが、個人差があるためおりもののみで妊娠の有無についての判断は非常に困難です。

そのため、妊娠の可能性を判断したい場合には、おりものの変化と代表的な妊娠初期症状とを照らしあわせてみましょう。

※本記事は可能な限り正確な情報を記載しておりますが、内容の正確性や安全性を保証するものではありません。
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