近年、筋トレに効果的であるとHMBが注目されています。トップアスリートも摂取していることや、国際スポーツ栄養学会からも効果が認められていることからも安心して摂取できる成分です。
しかし、HMBは摂取するのみで筋肉が増大したり腹筋が割れたりするものではありません。食後に飲むことやトレーニング前に飲むなど、タイミングが重要です。
本記事では、HMBの効果的な摂取タイミングについて解説します。タイミング以外にも、HMBの正しい飲み方や人気のHMBを5選紹介するため、最後まで読んでぜひ、参考にしてみてください。
HMBとは?
HMBとは、β-ヒドロキシ-β-メチル酪酸と呼ばれる成分です。
HMBは、ロイシンと呼ばれるアミノ酸における代謝産物として、筋肉を生成するたんぱく質の合成を誘導する働きがあると考えられています。
日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会報告書にも記述されており、研究結果として根拠がある成分です。
しかし、記述されている研究内容に基づく効果は、適度な運動及びほかの栄養素も的確に摂取しているもののため、私生活で効果を実感するためには、HMBを摂取するタイミングや正しい飲み方が必要となります。
HMBの効果的な摂取タイミング3選
前述したとおり、HMBの効果を実感するためには摂取タイミングが重要となるため、ここではHMBの効果的な摂取タイミングを3つ解説します。
HMBの効果的な摂取タイミングは、食後、就寝前、トレーニング時が効果的です。トレーニング前やトレーニング中、トレーニング後など詳細なタイミングについても解説しているため、ぜひ参考にしてみてください。
HMBの効果的な摂取タイミングを覚えて、効率よく筋肉量を増加させましょう。
【食後】HMBは食後に摂ることが効果的
HMBの効果的な1つ目の摂取タイミングは、食後です。食事摂取により、骨格筋のたんぱく質合成が増加するため、食後にHMBを摂取すると効果的になります。
たんぱく質合成によって筋肉が増加する理由は、血中のアミノ酸やインスリンが食後の骨格筋たんぱく質同化作用があることが主な理由です。
アミノ酸は、すべてのものが効果的ではなく、ロイシンが効果的とされているため、ロイシンを含んだサプリメントが多く流通しています。
インスリンは、血糖値を調整する働きがあるほか、ブドウ糖を筋肉へ送ってエネルギーへとして利用されることから、摂取効率が高まるため効果的です。
上記の働きを促進させるものがHMBであることから、HMBの効果的な摂取タイミングは食後といえます。
【就寝前】就寝前に摂ることで筋疲労の回復を促進
HMBの効果的な2つ目の摂取タイミングは、就寝前です。睡眠は、体や脳を休ませて疲労を回復する効果があることは知られており、筋疲労も同様に回復します。
筋トレは筋繊維を壊して再生させることで筋肉量が増加するため、回復させることが大切です。
筋トレも毎日おこなうより、1~2日空けておこなう方が効果的とされているのは、回復させる期間を設ける必要があるためといわれています。
HMBを就寝前に摂取すれば、筋疲労の回復を促進させられるため、効果的です。さらに、睡眠中はエネルギーの摂取量が多いことから、睡眠不足にならないような私生活を心がけてください。
就寝前にHMBを摂取して、効果的に筋肉量を増加させましょう。
【トレーニング】筋トレの効果が上がる
HMBの効果的な3つ目の摂取タイミングは、トレーニングのタイミングです。トレーニングのタイミングは、さらに細かく分けられるためそれぞれ詳しく解説します。
トレーニングのタイミングは3つに分けられ、トレーニング前、トレーニング中、トレーニング後がありますが、どのタイミングで摂取しても問題ありません。
しかし、摂取するHMBの種類によってタイミングが異なる点やメリットも異なるため、覚えておくとさらに効果的に摂取できます。
主に流通しているHMBは、HMBカルシウムとHMB遊離酸です。2つのHMBの異なる点は、HMBカルシウムは血中濃度が最も高くなるまで1~2時間とされ、HMB遊離酸は30分前後と吸収率が異なります。
ほかにも異なる点や摂取するタイミングを踏まえて解説するため、ぜひ参考にしてみてください。
トレーニング前に摂取するメリット
HMBをトレーニング前に摂取するメリットは、HMBが筋肉を分解する働きを抑制する効果がある点や、トレーニングによる筋繊維を傷つけた際にたんぱく質合成を促進する効果をもたらすことで、より効果的なトレーニングとなる点です。
また、HMBの種類によりますが、摂取してから血中濃度が最も高くなるまでは30分~2時間ほどかかるため、トレーニングするタイミングに効果が表れやすくするためともいえます。
国際スポーツ栄養学会のHMBに関するポジションスタンドでは、アスリートは運動する前後にHMBを摂取すると効果的であることや、運動する2週間前から摂取し始めると効果的とされていることからも、トレーニング前の摂取が効果的です。
HMBは運動による骨格筋の損傷を抑えて、回復を促進させる点についても言及されているため、トレーニング前にHMBを摂取して、より効果を実感できるようにしましょう。
トレーニング中は水分補給とあわせて
HMBをトレーニング中に摂取する際は、水分補給と同時に摂取するようにしましょう。
トレーニング直後から30分程度で筋たんぱく質は活性化するため、トレーニング中に水分と同時に摂取すると丁度活性化しはじめたタイミングで効果が得られやすくなります。
水分は摂取してから体全体に行き渡る時間が速く、同時にHMBを摂取すると効率よく体内に取り込まれ、より効果的です。
トレーニング中は、吸収率が早いとされているHMB遊離酸の摂取がおすすめですが、HMBカルシウムよりも価格が高いため、無理なく継続して購入できる程度のものを選びましょう。
HMBカルシウムを摂取する場合は、なるべくトレーニング前に摂取するか、溶けやすいようにぬるま湯で飲み、摂取してから体に行き渡るまでの時間を短縮する方法がおすすめです。
上記のことから、トレーニング中は水分補給と同時HMBを摂取して、より効果的なトレーニングにしましょう。
トレーニング後
HMBをトレーニング後に摂取すると、筋疲労の回復を促進させることから筋肉痛になりにくくなるメリットがあります。
もちろん回復させることで筋肉量の増加も含まれているため、筋肉を大きくしつつ筋肉痛の痛みを軽減させられることから、トレーニング後のHMB摂取はおすすめです。
トレーニング後になにか食べる場合は、食事によるたんぱく質の摂取ができるため、トレーニング後の食事のあとにHMBを摂取するとよりたんぱく質の合成を促進できます。
上記がHMBの効果的な摂取タイミングです。
食後や就寝前は問題ありませんが、トレーニングの際に摂取する場合は、時間を計算して摂取した方が効果的なため、トレーニングの効果とHMBの効果が最大限に発揮されるタイミングを計算して摂取しましょう。
【効果抜群!】HMBの正しい飲み方
HMBの効果的な摂取タイミングに続いて、効果がある正しいHMBの飲み方を解説します。
HMBの正しい飲み方は、1日当たりに摂取する目安や朝、昼、夜のように分けて飲む方が効果的であるとされているため、それぞれ飲み方を覚えておきましょう。
ここでは、日本人の食事摂取基準(2015 年版)策定検討会報告書を参考にしたHMBの効果的な正しい飲み方を解説します。
研究結果に基づいた根拠のある正しい飲み方であるため、ぜひ参考にしてみてください。
HMBの1日3gを目安に摂取
日本人の食事摂取基準(2015 年版)策定検討会報告書によると、アメリカの70歳の方レジスタンス運動中にHMBを毎日3g補給したところ、筋肉量の増加が期待できることが示されたと記載されているため、本記事で推奨するHMBの摂取量は1日3gです。
しかし、HMBの正しい飲み方として推奨される摂取量は、メーカーや団体によって異なります。
たとえば、国際スポーツ栄養学会はHMBの飲み方として摂取量を体重1kgに対して38mgの摂取を推奨しているほか、小林香料株式会社が2018年に自社商品の機能性に関する資料では、HMBの有効な摂取量が1.2~2.4gです。
上記のようにHMBの正しい飲み方は、研究結果からさまざまな摂取量で効果がでています。
運動量や性別による筋肉量の違い、食事などによって個人差があるものですが、正しい飲み方を覚えておけば効果を実感できるため、1日3gの摂取を目安にして規則正しい私生活を送りましょう。
参照元:https://www.dnszone.jp/magazine/2021/20089
参照元:https://www.fld.caa.go.jp/caaks/cssc06/youshiki5?yousiki5216File=B185%255CB185_youshiki5.pdf
HMBは1日3~5回に分けて飲む
HMBの正しい飲み方として、一度に3g飲むのではなく、3~5回に分けて飲むことがおすすめです。本記事で解説したHMBの効果的な摂取タイミングにあわせて飲むことで、より効果を実感しやすくなります。
食後やトレーニング中などに摂取して合計3gとなるように調整してください。飲用するHMBによって異なりますが、タブレットタイプなら何粒で3gとなるのかを算出して、1回当たりに飲む量を決めましょう。
食後は2粒、トレーニング時に4粒と筋疲労にあわせて量を調整することもおすすめです。
国際スポーツ栄養学会では、トレーニング時に摂取すると効果が見込めるとしていることや、日本人の食事摂取基準(2015 年版)策定検討会報告書でも研究時に必ず運動を取り入れているため、筋肉を動かすタイミングで飲むことが最も効果的と推測できます。
正しい飲み方と効果的なタイミングを見極めて、HMBの効果を最大限に活用してみてください。
HMBはトレーニングの日に飲む
HMBの正しい飲み方として、基本的にトレーニングする日に飲むようにしましょう。
HMBを継続して飲むには、ランニングコストがかかります。そのため、毎日飲んでいると効果はより高くなりますが、続けることが大変です。
日本人の食事摂取基準(2015 年版)策定検討会報告書でも、毎日ではなく週に3回のレジスタンス運動とHMB摂取にて筋肉量が増加した結果がでているため、絶対に毎日飲まなければならないわけではありません。
毎日飲む目的を挙げると、筋肉を衰えさせないためです。人間は筋肉よりも内蔵を重視するように体ができているため、不要な筋肉から栄養を取ってほかへ促すような現象が起きます。
HMBの効果の中に、筋肉の衰えを防ぐものがあるため、トレーニングしない日でも毎日欠かさず飲むことで、付いた筋肉の維持が可能です。
上記をまとめると、HMBの正しい飲み方はタイミングと目的と明確にして飲むと効果的といえます。筋肉量を増加させるならトレーニングにあわせて飲み、筋肉を維持するなら普段から飲むようにしましょう。
HMBの効果を高めるサプリメント3選
ここからは、HMBの効果を高めるサプリメントを紹介します。HMBは飲めば筋肉が付く魔法の成分ではなく、筋肉量の増加を助ける働きがある効果的な補助成分と考えてください。
そのため、食事による基本的な栄養素や健康的な睡眠時間などの要素がなければ効果が期待できません。
上記のことから、HMBのみでは補えないたんぱく質やアミノ酸などを同時に摂取することで、HMBの効果を最大限に引き出せます。
筋トレを効率的にするサプリメントも紹介するため、HMBと併用して、最大限の効果を得られるようにしましょう。
クレアチン:筋トレのパフォーマンスアップ
クレアチンとは、運動する際のエネルギー源となるクレアチンリン酸の構成成分を指します。
クレアチンリン酸は、主に骨格筋に貯蔵されているもののため、クレアチンを摂取すれば筋トレのパフォーマンスアップに期待でき、効果的です。
クレアチンは、短い全速力のダッシュや重たいバーベルを持ち上げるときなど爆発的な力を必要とする際のエネルギー源とされています。
そのため、クレアチンを体内に貯め込んでおくことで、筋トレ時のパフォーマンスを向上させ、HMBを摂取した際のたんぱく質合成の促進が可能です。
プロテイン:体づくりの土台のタンパク質
HMBとは切っても切れない関係となるプロテインは、紹介するうえで外せないサプリメントです。
プロテインとは、たんぱく質を指しておりこれまで解説してきた中でも、重要な成分であることは明らかなため、HMBと併用しましょう。
プロテインは体づくりの土台となるため、1日に体重1kg当たり1~2gを目安に飲むことが望ましいです。食事にも多く含まれているたんぱく質ですが、必要量を摂取するためにはステーキで700g以上食べなければなりません。
普段から食事でたんぱく質を摂取している方でも、プロテインはおすすめです。プロテインでたんぱく質を補給し、HMBでたんぱく質合成を促すことで効率的に筋肉量を増加させられます。
EAA:プレワークアウトに最適な必須アミノ酸
アミノ酸はたんぱく質を構成する成分のため、プロテインと同様にHMBの効果を高めます。アミノ酸の中でも必須アミノ酸と非必須アミノ酸に分けられ、EAAは体内で合成できない必須アミノ酸です。
EAAには、HMBを生成するロイシンをはじめとした9種類のアミノ酸があり、プロテインに含まれているものもあります。
しかし、含有量が少ない場合もあるため、EAAサプリメントそのものを飲むことがおすすめです。
たんぱく質の構成やたんぱく質合成を促進させる効果があるEAAをHMBと併用すれば、より高い効果が得られるメリットや免疫力が高まるメリットがあるため、健康的な体づくりができます。
筋トレの効果が上がるHMBおすすめ5選
最後に、筋トレの効果が上がるおすすめのHMBを5選紹介します。
HMBを選ぶ際は、1日当たりのコストパフォーマンスや、1回当たりの摂取量がどうなるのかに注目して選ぶことがおすすめです。
高配合されているものほど価格は上がるため、継続できるHMBを選びましょう。さらに、本記事で少し触れましたが、HMBカルシウムやHMB遊離酸も吸収率が異なるため、選ぶ際の基準にしてみてください。
Optimum Nutrition HMB 1000 90カプセル
オプティマムニュートリションは、90カプセル入りで5,000~8,000円程度で販売されている筋トレの本場アメリカのHMBサプリメントです。
1カプセルに1,000mgのHMBが含まれているため、1日3カプセルを目安に飲みましょう。90カプセル入りのため、1か月で飲みきれます。1日当たりのコストは、概算で166~266円です。
オプティマムニュートリションのHMBは、1回当たり1カプセルを目安に飲んでみてください。HMBカルシウムに分類されているため、血中濃度が最も高くなる時間は飲用してから1~2時間後となります。
海外製のため、カプセルが少し大きめに作られていることから、女性や飲み込むことが得意でない方は、注意してください。
それでも1回1カプセルで済むことから持ち運びも容易にできるため、トレーニングジムに通う際や出張先でも大活躍します。
NOW Foods HMB
ナウフーズHMBは、500mg120カプセルや1,000mg90カプセルなどから、自身の飲み方にあわせて購入できるHMBサプリメントです。
HMB以外のカプセルも販売しているため、購入の際はHMBの文字を頼りに間違えないようにしてください。販売価格は、3,000~5,000円ほどで販売されており、1,000mg90カプセル入りのもので1日当たり100~166円です。
コストパフォーマンスがよいことから人気のあるHMBとなります。ナウフーズHMBもHMBカルシウムとなるため、効率を重視する方はしっかりと逆算して飲用してください。
カプセルサイズは2.5cm程度とされているため、目安にして検討しましょう。オプティマムニュートリションと同様に持ち運びやすいサイズのため、外出先でも問題なく飲用できます。
DNS HMB タブレット 180粒
DNS HMBは、タブレットタイプの飲みやすいHMBサプリメントです。
180粒入りのため長持ちしそうですが、推奨は1日6粒のため、30日用とされています。1粒当たりHMBが200mg配合されていて、1日で1,200mgの摂取が可能です。販売価格は2,500円程度とコストパフォーマンスが高く、国産のため安心して飲用できます。
1日当たり83円と非常に安く済み、トップアスリートも愛用しているサプリメントです。しかし、本記事で解説した1日3gの摂取を目安にする場合は、2つ購入しなければならないため、コストが高くなります。
DNSではトレーニング時の飲用を推奨しているため、毎日飲む方よりもトレーニングする日のみ飲む方におすすめのHMBサプリメントです。
MYPROTEIN HMB パウダー
マイプロテインHMBパウダーは、本記事で紹介する唯一のパウダータイプのHMBです。
パウダータイプは、タブレットやカプセルよりも溶けやすく、タブレットやカプセルを飲み込むことが苦手な方にもおすすめとなります。
1パック250gと500gの商品があり、500gの方がコストパフォーマンスは高いです。公式サイトでは、1食当たり1gを推奨しており、1日3gを目安とする場合は、1日当たりのコストが42~60円ほどになります。
通販サイトでは250gが5,000円程度で販売されていますが、公式サイトでは3,500円程度で安く購入可能です。しかし、人気商品であることから公式通販では現在在庫切れとなるため、Amazonや楽天市場で購入しましょう。
持ち運びやすさよりも、飲みやすさや価格で選びたい方におすすめのHMBパウダーです。
VALX HMBタブレット 450粒
VALX HMBは、細かく分けて飲めるタブレットタイプのHMBです。
1粒200mgの450粒入りで、1日3gを推奨しているため、15粒飲用する必要があります。サプリメントを多く飲みたくない方には向きませんが、一度に飲む個数を細かく分けられ、思い通りの飲み方ができるHMBです。
公式通販によると、朝昼夜の3回に分けての飲用を推奨していますが、細かく分けられることから、トレーニング時に7粒、トレーニング後に3粒、就寝前に5粒と、生活スタイルにあわせて飲用しましょう。
VALX HMBは、3,000円程度で購入でき、1日当たり93円程度となることから、コストパフォーマンスも高く、人気のHMBです。
メジャーリーガーをはじめとした、有名アスリートの指導経験がある山本義徳氏監修のHMBサプリメントのため、効果に期待が膨らみます。
まとめ
今回は、HMBの効果的な飲み方や摂取タイミングについて解説しました。筋肉量を増加させるにはHMBの飲み方以外にも、効果を高めるプロテインやEAAサプリメントなどの併用や、基本的な栄養素や健康的な私生活が大切です。
飲み方やタイミングを理解していない方と、理解している方では、HMBの効果が異なります。
本記事で解説したHMBの飲み方や摂取タイミングは、さまざまな研究結果や学会の資料に基づいたもののため、より効果的なHMBの飲み方といえるでしょう。
HMBの飲み方や摂取タイミングを守り、より効果的な筋トレに励んでみてください。