アフターピルは避妊できなかったときに服用する緊急避妊薬です。
しかし、本当に避妊できるのか、どのくらいの避妊率なのか不安に感じる方もいるでしょう。
アフターピルは性交渉後、なるべく早く服用すると避妊率が上がります。
本記事では、アフターピルの服用方法と効果を低減させないためのポイント、購入方法をまとめました。
正しく服用すると緊急避妊の効果が期待できるため、うまく避妊できなかったときでも、焦らずにアフターピルを活用しましょう。
アフターピル(緊急避妊薬)とは
緊急避妊薬と呼ばれるアフターピルは避妊せずにおこなった性交渉後、72時間以内に服用します。
主に排卵を遅らせる作用により妊娠の成立を防ぎ、早ければ早いほど避妊に効果的です。
産婦人科や婦人科などを受診すると、処方してもらえます。
ただし、アフターピル服用後の避妊効果は続きません。
本当に避妊できたか確認できるまでは、性交渉を避けることが無難です。
また、あくまで緊急用のため普段の避妊法として使用しないようにしましょう。
アフターピルの効果
アフターピルの主成分である黄体ホルモンには、妊娠を防ぐ効果があります。
そもそも妊娠を成立させるためには排卵と受精、着床が必要です。
アフターピルを排卵前に服用すると、排卵を遅らせたり抑えたりできます。
また、排卵後の服用で精子と受精した卵子が子宮内膜への着床を防ぎ、剥離させることで避妊できる仕組みです。
アフターピルは、性交渉の24時間以内の服用で80〜95%の避妊効果があるといわれています。
100%妊娠を回避できるわけではないため、コンドームの使用や低用量ピルの服用など、日頃から避妊に気をつけることが大切です。
アフターピルの種類
アフターピルには主に下記3種類があります。
- ヤッペ法
- レボノルゲストレル法
- エラ
ヤッペ法は、ホルモン配合剤(卵胞ホルモン+黄体ホルモン)を内服する方法です。
従来から使用されていて、1977年に発表された緊急避妊方法です。
72時間以内に中用量ピルを2錠、その12時間後に2錠を内服します。
レボノルゲストレル法は国内承認済みの新しい薬、ノルレボを用いた方法です。
先発品がノルレボ、後発品がレボノルゲストレルです。
ノルレボは72時間以内に1回内服するのみで効果が得られます。
エラはエラワンのジェネリック薬で、日本ではまだ承認されていません。
高い避妊効果が期待できることから、海外で主流のアフターピルです。
アフターピルの服用方法
ヤッペ法は、避妊できなかった場合、性交渉後の72時間以内に2錠、さらに2時間後に2錠服用します。
レボノルゲストレル法は1回の服用のみです。
ノルレボまたは後発品のジェネリック薬品レボノルゲストレル錠のどちらかが処方されるでしょう。
服用のタイミングはどちらの方法も同じですが、できるだけ早い服用が効果的です。
一方、エラは120時間以内の1回服用で効果が得られます。
性交渉後、時間が経ったときにおすすめです。
アフターピル(緊急避妊薬)の避妊率
アフターピルは100%避妊できるわけではありませんが、高い避妊効果が期待できます。
ここではアフターピルの種類ごとに避妊率を解説するため、ぜひ参考にしてみてください。
アフターピルの服用が早ければ早いほど避妊率が高い
アフターピルは、リスクのあった性交渉からできるだけ早く服用すると、避妊率が高いといわれています。
時間が経つにつれて避妊率は徐々に下がるからです。
ヤッペ法、レボノルゲストレル法ともに72時間以内の服用が推奨されていますが、できるだけ早く服用しましょう。
アフターピルの種類ごとの避妊率
下記の表にて、アフターピルそれぞれの妊娠阻止率をまとめました。
妊娠阻止率 | 72時間以内の服用 | 24時間以内の服用 |
---|---|---|
ヤッペ法 | 57% | 77% |
レボノルゲストレル法 | 85% | 95% |
エラ | 95% | ― |
3種類とも24時間以内に服用した方が、妊娠阻止率が高くなります。
なかでも未承認薬のエラは、120時間以内の服用でも避妊効果があるといわれ、妊娠阻止率は85%です
性交渉から72時間以内の服用でも妊娠阻止率が95%と高いため、服用時間が遅くなったときはエラの使用を検討してみてください。
アフターピル(緊急避妊薬)の効果を低減させないために気をつけること
アフターピルの避妊率を低減させないためには、正しく使用する必要があります。
そこで、服用後や薬の飲み合わせに関する注意点をまとめました。
服用後2時間は嘔吐しない
アフターピルを服用してから2時間は嘔吐に気をつけましょう。
薬が効いていなかったり、体内に十分な量を吸収できなかったりする可能性があります。
吐き気はアフターピルの副作用です。
もし、2時間以内に嘔吐してしまったら、受診した医療機関へ相談しましょう。
薬の飲み合わせに気をつける
アフターピルを服用するときには、ほかの薬との飲み合わせに注意する必要があります。
薬の成分により、避妊効果が十分に発揮されないことがあるからです。
飲み合わせに気をつけたい主な薬や成分は下記のとおりです。
- 抗けいれん薬
- HIVプロテアーゼ阻害剤
- 非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤
- 抗酸菌症治療薬
- セイヨウオトギリソウ(セントジョーンズワート)
なかでも、セイヨウオトギリソウ(セントジョーンズワート)は、ハーブティーにも含まれている可能性があります。
普段から飲んでいる方は成分表の確認が必要です。
併用できない薬や成分は上記に限らないため、必ず医師に確認してからアフターピルを服用しましょう。
服用後は生理が来るまで性交渉を控える
アフターピル服用後、生理が来て避妊できたことが確認できるまでは、性交渉を控える必要があります。
アフターピルにより排卵が遅れる場合があるからです。
さらに、生理が確認できる前に性交渉をすると避妊に失敗したタイミングや、妊娠した時期がわかりづらくなります。
アフターピルには避妊効果がありますが、100%妊娠を防げるわけではありません。
場合によると、内服後の性交渉で妊娠するケースもあります。
そのため、避妊できたことがわかるまで性交渉は避けましょう。
アフターピル(緊急避妊薬)の購入方法
アフターピルの購入方法を紹介します。
医療用医薬品のアフターピルは薬局やドラッグストアでは購入できません。
多くの場合、産婦人科を受診して医師から処方を受けることが一般的です。
医療機関で対面診療を受ける
アフターピルの取り扱いがある医療機関を受診すると、処方してもらえます。
医師に事情を話して、アフターピルの説明を対面で聞きたい方におすすめです。
厚生労働省の公式サイトには、対面診療が可能な産婦人科医療機関一覧が掲載されています。
都道府県別で探せるため、参考にするとよいでしょう。
クリニックのオンライン診療を受ける
対面治療のほか、オンライン診療でもアフターピルを購入できます。
オンライン診療はスマートフォンやパソコンから受診できる便利な方法です。
電話のみで処方できるクリニックがあるため、顔出しに抵抗がある方も安心できます。
対面診療とは異なり、土日や夜間に対応している場合が多いことからすぐに相談したときに最適です。
近くに産婦人科がない、そもそもクリニックへの来院が恥ずかしい方はオンライン診療を受診してみてください。
アフターピル(緊急避妊薬)を購入できるオンラインクリニック3選
ここからは、アフターピルを購入できるオンラインクリニックを紹介します。
オンライン診療は相談したいときにすぐ受診できるため、うまく活用しましょう。
エニピル
エニピルはオンライン診療に特化したクリニックです。
わずか5分程度の問診票に回答したら、30分以内にオンライン診療を始められる便利さが魅力の一つです。
わずらわしい予約がなく、待ち時間が少ないところもオンライン診療の良さといえます。
エニピルは24時間いつでも診察でき、LINEによる無料相談まであります。
最短で翌日に薬が届くため、急いでいる方にもおすすめです。
取り扱いのあるアフターピルは下記の2種類です。
- レボノルゲストレル
- エラ
料金は診療費2,200円(税込)と送料550円(税込)に、薬代が追加されます。
あわせて、副作用の緩和に吐き気止めのプリンペランを追加で購入できるため、気になる方は診察のときに相談するとよいでしょう。
ソクピル
ソクピルは、アフターピルに特化したオンライン診療サービスです。
LINEアプリで完結でき、最短5分のスピード処方が魅力のクリニックです。
診察のほか、LINEアプリでの無料相談や急いでいる方には電話でも受付できます。
来院はもちろん、予約も不要のため手軽に受診できます。
ソクピルで取り扱いのあるアフターピルは下記のとおりです。
- レボノルゲストレル
- エラ
医師による診察後、アフターピルの処方を受けた方は診察料が無料です。
別途、システム使用料3,080円(税込)と送料825円(税込)が含まれます。
フィットクリニック
フィットクリニックはオンライン診療のほか、対面治療にも対応しているクリニックです。
オンライン処方は電話またはWeb、LINEアプリから予約できて最短5分の問診のみで発送されます。
専用アプリのダウンロードは不要です。
専門医による電話のみでアフターピルが処方される手軽さが魅力的です。
フィットクリニックで取り扱いのあるアフターピルは3種類あります。
- レボノルゲストレル(海外製)
- レボノルゲストレル(日本製)
- エラ
レボノルゲストレルは海外製と日本製の2種類です。
通常便なら最短翌日、東京都内に限りバイク便があるため、最短60分で薬が届きます。
診察料は無料、通常便に送料が940円(税込)です。
ただし、関東以外はヤマト運輸料金に準じます。
バイク便の場合は東京23区で一律5,500円(税込)、23区外なら笹塚院からの距離に応じて発生します。
アフターピル(緊急避妊薬)に関するよくある質問
アフターピルに関して、よくある質問をまとめました。
避妊に失敗したときは誰しも不安になるため、万が一に備えてアフターピルについて理解してくことが大切です。
アフターピルに副作用はある?
主な副作用は吐き気です。
ただし、嘔吐に至るケースは少ないとされています。
吐き気以外の副作用は下記のとおりです。
- 乳房の張り
- 倦怠感
- 少量の出血
- 肌荒れ
いずれも軽度なものにとどまることが多いですが、体に異常が見られた場合には医師へ相談してください。
アフターピルで避妊できたかを確かめる方法はある?
アフターピルを服用後、消退出血が現れると妊娠の心配はないでしょう。
消退出血は受精が阻止された場合、ホルモンの変動により子宮内膜が剥がれることで起こります。
多くは2~5日程で終わる出血です。
ただし、消退出血と不正出血は見分けがつきにくいため、生理が来るまで確実ではありません。
どうしても避妊できたか確かめたい方は、出血が見られた後に産婦人科の受診がおすすめです。
アフターピルは何回でも服用できる?
1生理周期中に、複数回のアフターピル服用は可能です。
日本産科婦人科学会による指針では、排卵の直前に黄体ホルモンが放出される現象「LHサージ」の前に限り、連続服用ができると記載があります。
しかし、実際にはLHサージを自身で判断するのは難しいため、複数回服用したい場合は医師への相談が必要です。
原則、アフターピル服用後12時間以内に避妊できなかった場合には、再度服用しなくても問題ありません。
アフターピルを連続的に服用すると、生理周期が乱れる可能性があります。
必要以上の服用は体に負担となるため、意味なく複数回服用するのは控えましょう。
個人輸入でアフターピルを購入しても大丈夫?
アフターピルを個人輸入やSNSから購入するのは危険です。
とくに、海外製アフターピルは体へのリスクが大きいため注意が必要です。
未承認薬や偽薬、粗悪品の可能性があります。
クリニックで処方されるアフターピルとは成分が異なると、体に異変が起きたり重い副作用が生じたりする場合もあります。
万が一、重篤な副作用が引き起こったとしても、公的機関から治療費で救済される制度が適用されません。
アフターピルは医師から処方される医療用医薬品です。
できるだけ安く購入したい、クリニックへの来院が恥ずかしいからと、ネット通販でアフターピルは購入しないようにしましょう。
まとめ
アフターピルは避妊に失敗したときに、妊娠を成立させないように服用する緊急避妊薬です。
できるだけ早く服用すると避妊効果が高まるとされています。
多くのクリニックで取り扱いのあるアフターピル、レボノルゲストレルとエラはどちらも90%以上の妊娠阻止率を誇ります。
避妊できなかった場合でも、アフターピルをうまく活用すると妊娠を防げるでしょう。
医療用医薬品のアフターピルはドラッグストアでは購入できないため、クリニックへ受診する必要があります。
もし産婦人科への来院に抵抗があるなら、オンライン診療がおすすめです。
自宅にいながら電話で診察ができ、最短翌日に自宅までアフターピルが届きます。
土日や夜間にも対応しているところが多く、緊急のときでも安心です。
相談のみできるクリニックもあるため、気になることがあれば気軽に活用してみましょう。