アフターピルは、性行為後の服用で妊娠を防ぐ効果がある緊急避妊薬です。
日本では2011年にノルレボが厚生労働省により認可されました。
ドラッグストアや薬局では販売されていないため、購入方法や男性でも購入できるのかなど、気になる方もいるでしょう。
現在日本では、アフターピルの処方には、医師の診察が必要なため、購入できるのは服用する女性本人のみです。
今回の記事では、アフターピルについてや、入手方法、クリニックの選び方、服用する際の注意点などについて解説します。
望まない妊娠を防ぎ、安全にアフターピルを使用するための参考にしてみてください。
アフターピル（緊急避妊薬）とは？
アフターピルは避妊に失敗したり、性暴力を受けたりした場合の望まない妊娠を阻止するために使用する薬です。
緊急時に使用することから緊急避妊薬とも呼ばれています。
性行為後、72時間以内または、120時間以内に服用する必要があり、服用するまでの時間が早いほど妊娠阻止率が高まります。
アフターピルで妊娠を阻止できる理由は、アフターピルに含まれる黄体ホルモンに、卵胞の成熟を遅らせ排卵を遅らせる作用や、子宮内膜の成熟を早め着床に適さない状態にする作用があるためです。
アフターピルには、妊娠を阻止する作用がありますが、あくまでも緊急用です。
女性の体への負担もあるため、避妊目的で性行為後に毎回アフターピルを使用することはできません。
アフターピルには、ノルレボとエラワンの2種類があります。
あすか製薬が販売するノルレボ錠は、日本で初めてアフターピルとして承認された薬です。
有効成分はレボノルゲストレルで、性行為後から服用するまでの時間が早いほど妊娠阻止率が高く、服用時間による妊娠阻止率は、24時間以内で95％、48時間以内で85％、72時間以内で58％です。
エラワンは、HRA Pharma社のアフターピルで、ヨーロッパやアメリカで販売されています。
日本では未承認の薬ですが、海外から輸入し取り扱うクリニックがあります。
有効成分はウリプスタル酢酸エステルで、ノルレボとの異なる点は、避妊効果を得られる服用時間が性行為後5日（120時間）と長いところです。
アフターピル服用後、避妊に成功しているかどうかは、生理が起こるか起こらないかで判断します。
生理周期により、次の生理が起こるまでの日数は異なりますが、妊娠していない場合にはアフターピルを服用後3週間以内に生理になります。
アフターピルには高い妊娠阻害作用がありますが、100％妊娠を防げるわけではないため、3週間以上経過しても生理が来ない場合には医師の診察を受けましょう。
アフターピル（緊急避妊薬）は男性でも買える？
アフターピルはドラッグストアや薬局では販売されておらず、男性は購入できません。
ここでは、アフターピルを男性が購入できない理由を解説します。
男性はアフターピルを買えない
アフターピルは医薬品です。
処方には服用する方が医師の診察を受ける必要があるため、男性のみで病院やクリニックを訪れても購入できません。
アフターピルは医師の診察・処方箋が必要
アフターピルの購入には、医師の診察と処方箋が必要です。
近くに病院がない場合や、病院に行く時間が取れない場合には、オンラインクリニックを利用し処方してもらう方法があります。
オンラインクリニックは自宅に居ながら診察が受けられ、薬は最短で翌日に届くため、アフターピルの服用期限にも間に合います。
アフターピルは市販されていない
現在アフターピルは、ドラッグストアや薬局では販売されていません。
しかし、厚生労働省は2023年6月の会議で、一定の条件を満たす薬局で、医師の処方箋がなくても緊急避妊薬を試験的に販売する方針を発表しました。
正式な実施時期は未定ですが、試験運用期間は2023年夏ごろから2024年3月末までの予定です。
試験運用が行われる薬局の条件は次のとおりです。
- 研修を受けた薬剤師がいる
- 夜間や土日祝に対応できる
- プライバシーを確保できる個室がある
- 近隣の産婦人科と連携できる
アフターピル（緊急避妊薬）を通販・個人輸入してもよい？
アフターピルは、インターネット上の通販や個人輸入で購入できる場合があります。
しかし、現在日本では、アフターピルは医師の診察のもとで処方される薬のため、通販で販売されているアフターピルは個人輸入の転売品である可能性が高く注意が必要です。
個人輸入した薬を他人に販売することは薬機法に違反します。
また、海外製のアフターピルは、個人輸入で購入することもできますが、その薬が本物である保証はありません。
不衛生な場所で製造された粗悪品や、偽造品の可能性もあります。
避妊効果が得られないばかりか、健康被害を及ぼすおそれもあるため、アフターピルの通販や個人輸入での購入は止めましょう。
アフターピル（緊急避妊薬）の入手方法
アフターピルは、女性が医師の診察を受け、緊急避妊薬が必要と判断された場合に処方されます。
問診では、最終月経の時期、普段の生理周期、性行為をおこなった日、避妊方法などを確認されるため、答えられるように準備しておくとスムーズに診察が進みます。
診察は、病院やクリニックを受診する方法と、オンライン診療を受ける方法があります。
それぞれのアフターピルが処方されるまでの流れを解説します。
病院を受診して処方してもらう
アフターピルは婦人科や産婦人科で処方してもらえます。
取り扱いのないクリニックもあるため、事前に確認してから来院すると安心です。
アフターピルは、性行為後から服用までの時間が早いほど、高い避妊効果を発揮します。
診察を受けてすぐ薬が受け取れることは、病院を受診して処方してもらうメリットです。
オンライン診療を受けて購入する
人目が気になる場合や、近くにアフターピルを取り扱うクリニックがない場合には、オンライン診療で購入する方法もあります。
オンライン診療は、パソコンやスマートフォンを使用し診察が受けられ、薬は自宅に郵送されるため、自宅にいながら診察から処方までが完結します。
オンライン診療は、夜間や土日祝日など、医療機関の受付時間外でも診察が受けられるところがメリットです。
しかし、オンライン診療の場合、薬が届くのは最短で翌日です。
アフターピルは性行為後72時間以内または、120時間以内に服用しなければ十分な避妊効果が発揮できないため、期限内に薬が届くかどうか診察時に確認しましょう。
アフターピル（緊急避妊薬）が買えるクリニックの選び方
アフターピルを購入するクリニックを選ぶ際のポイントは、処方から配送までの速さ、アフターピルの種類、診察を受けられる時間です。
それぞれについて解説します。
処方から配送までの早さ
病院やクリニックで診察を受けた場合には、診察後すぐに薬が処方されますが、オンラインクリニックで受診した場合には、薬が届くまでに時間がかかります。
アフターピルは、性行為後72時間以内または、120時間以内に服用しなくてはいけないため、配送にかかる時間を確認することが大切です。
クリニックによっては、薬の即日発送や当日到着など、早く薬が届くサービスをおこなうところもあります。
受診する際に確認しておきましょう。
アフターピルの種類
ノルレボ錠は日本で初めて承認されたアフターピルです。
有効成分はレボノルゲストレルで、排卵を抑え、着床を阻害する作用があり、性行為後72時間以内の服用で85％の妊娠阻止率があります。
レボノルゲストレル錠とマドンナ錠は、レボルノ錠のジェネリック品のため、有効成分や作用は同じですがノルレボ錠より安く購入できます
エラワンは、日本未承認の薬ですが、クリニックで輸入しており購入できる場合があります。
有効成分はウリプリスタル酢酸エステルで、排卵を抑え、精子が子宮まで入りにくくし、着床を阻害する作用があり、性行為後120時間以内の服用で85％の妊娠阻止率があります。
エラは、エラワンのジェネリック品で、有効成分と作用は同じです。
診療を受けられる時間
一般的な病院やクリニックの診療時間は、平日9時ごろから夕方18時ごろまでです。
お昼休みがあったり、午後休診になる曜日があったりする場合があるため、事前に確認しておきましょう。
オンラインクリニックは、早朝から深夜まで診察をおこなっており、土日祝日も診察を受けられるところがあります。
オンラインクリニックの診察は登録や予約が必要です。
登録後、公式サイトやLINEなどから希望の日時で予約を取りましょう。
アフターピル（緊急避妊薬）が買えるオンラインクリニック3選
アフターピルが購入できるオンラインクリニックを紹介します。
それぞれに診察時間や料金、薬の発送までの時間が異なるため、自身の希望に合うクリニックを探してみてください。
エミシアクリニック
エミシアクリニックは、24時間オンライン診療に対応しています。
サービスの登録、診察、処方までをすべてLINEでおこなうため、外出先からでもスマートフォンがあれば診察が受けられます。
通常発送は、曜日を問わず17時までに決済完了した場合、当日発送、最短で翌日に薬が届きます。
東京・埼玉・神奈川・千葉のみ超特急便が使用できます。
超特急便は距離に応じた追加料金が必要ですが、曜日を問わず19時までに手続きすると最短1時間で薬が届きます。
アフターピルは、性行為後早く服用するほど避妊阻止率が高いため、当日発送、当日到着が可能なエミシアクリニックは急を要する場面でも使用可能です。
エミシアクリニックで取り扱うアフターピルは、マドンナとエラです。
マドンナは9,350円（税込）、エラは15,950円（税込）です。アフターピルは副作用で吐き気が起こる場合があるため、吐き気止めを無料で届けてもらえます。
決済方法は、代引きとクレジットカードが使用可能です。
エニピル
エニピルは、24時間オンライン診療に対応しています。
電話診療のため、顔を合わせることなく診察が受けられ、薬は15時までに受診した場合には当日、15時以降の場合には翌日発送となります。
オンライン診療は基本的に予約制ですが、アフターピルは緊急性が高いため、診察時間の予約をすることなく、最優先で診察してもらえます。
エニピルで取り扱うアフターピルは、レボノルゲストレル錠とエラです。
レボノルゲストレル錠は9,900円（税込）、エラは12,000円（税込）で、別途診察料として2,200円（税込）と送料550円（税込）が必要です。
決済方法は、クレジットカードとNP後払いが使用できます。
クリニックフォア
クリニックフォアの診察時間は、土日や日により異なる場合がありますが、基本的に平日は7〜24時まで受診できます。
診察はカメラとマイクが付いたスマホやパソコンでおこなうため、アプリは不要です。
16時までに決済した場合、薬は当日発送、翌日到着です。
北海道、中国、四国、九州、沖縄、その他の離島の場合には、発送から到着までに最短2日必要です。
クリニックフォアで取り扱うアフターピルは、エラワン（海外正規品）、ノルレボ（海外正規品）ノルレボ（国内後発品）、 ノルレボ（国内先発品）の4種類あります。
別途診察料として1,650円（税込）、配送料550円（税込）が必要です。
決済方法は、クレジットカード、GMO後払い、代金引換が使用できます。
アフターピル（緊急避妊薬）の正しい服用方法と注意点
アフターピルは正しい服用方法を守らなければ、十分な避妊効果が得られなくなる可能性があります。
また、副作用が現れる場合もあるため、ここでは、アフターピルの正しい服用方法と注意点について解説します。
アフターピルの正しい服用方法
アフターピルの妊娠阻止率は、避妊に失敗した可能性がある性行為後からの時間が経過するほど低下します。
ノルレボは、性行為後72時間以内、エラワンは120時間以内に服用しなくては十分な効果が得られません。
また、早い段階で服用するほど妊娠阻止率が高くなるため、できるだけ早く診察を受け、服用するようにしましょう。
アフターピルは、水で飲みます。
炭酸水や、カフェイン・アルコールを含む飲料で飲むと、アフターピルの吸収を悪くし、避妊効果が下がる可能性があります。
また、アフターピル服用後2時間以内に嘔吐した場合には、薬の成分が十分に吸収されず、体外に出た可能性があるため、処方してもらった医師に相談し、指示に従いましょう。
アフターピルは、服用できない方や、服用を慎重に検討する必要がある方がいます。
とくに注意が必要な方は次の症状がある方です。
- 乳がん、子宮がん、卵巣がんなど女性ホルモンと関連するがんと診断されたことがある
- 肝障害
- 授乳中、妊娠中、産後4週間以内
- 抗てんかん薬、抗HIV薬を服用している
- 黄体ホルモンアレルギーがある
- 心疾患、腎疾患の既往歴がある
副作用があらわれる場合がある
アフターピルの服用であらわれる主な副作用は、吐き気、腹痛、消退出血、頭痛、眠気、倦怠感などです。
服用後すぐに嘔吐すると、薬の成分まで体外に出す可能性があり、アフターピルの効果が十分に発揮できない場合があるため注意が必要です。
消退出血は、アフターピル服用後4〜7日経過したころに起こる出血のことです。
子宮内膜が剥がれ落ちたことが原因で起こり、2〜3日程度続きます。
そのほかに起こる可能性がある副作用には、めまい、不安感、月経過多、下痢、貧血、むくみ、疲労感、口が乾く、熱っぽくなる、月経遅延、乳房の痛みなどがあります。
不安に感じる症状がある場合には、医師に相談しましょう。
アフターピル（緊急避妊薬）に関するよくある質問
最後に、アフターピルに関するよくある質問を解説します。
診察の際に男性が付き添いしてもよい？
パートナーのことが心配で、診察に付き添いたいと思う男性もいるでしょう。
しかし、女性専用クリニックの場合には、男性が中に入ることができない場合があります。
婦人科や産婦人科でも、付き添いに条件を設けている場合があるため、付き添いを考えている方は、事前に確認しておきましょう。
低用量ピルはアフターピルの代わりになる？
アフターピルは、避妊に失敗した際に妊娠を阻止するための緊急避妊薬です。
1錠の服用で、妊娠を防ぐ効果が期待できます。
低用量ピルも避妊目的として使用されますが、低用量ピルは毎日継続的に飲むことで排卵を抑え、妊娠を阻止するものです。
避妊効果を得るためには、生理開始から7日以上継続して服用しなくてはいけません。
1度の服用では妊娠を防げないため、アフターピルの代わりとして使用できません。
まとめ
今回の記事では、アフターピルは男性でも買えるのかや入手方法について解説しました。
アフターピルは、避妊の失敗や、性暴力による望まない妊娠を防ぐために使用される薬です。
あくまでも緊急時の手段として用いられるもので、普段の避妊に使用するものではないことを理解しておきましょう。
アフターピルによる妊娠阻止率は、性行為後時間が経過するほどに低下するため、不安がある場合には、速やかに受診と処方を受けることが大切です。
オンラインクリニックなら、夜間や土日祝日も診察可能です。
おすすめのオンラインクリニックも紹介しているため、ぜひ参考にしてみてください。
