妊娠後期に発生するめまいの原因や対処法を詳しく解説

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妊娠後期に発生するめまいの原因や対処法を詳しく解説

妊婦さんのなかには、妊娠する今までには感じたことがないような、めまいなどを経験する方も少なくないでしょう。
妊婦さんは、妊娠後期になるとめまいは起きやすいともいわれていますが、原因は人によって異なります。
そのため、原因ごとの対処法を知ることで、万が一めまいの症状がでたときでも症状を軽減することができるでしょう。

本記事では、妊娠後期になると起きやすいめまいの原因と対処法を解説します。
妊娠後期ではなく妊娠初期でつわりなどが始まっていない方でも、今後は急な体調の変化やめまいの症状が出てくる可能性もありますので、事前に知識を得ておきましょう。

主なめまいの原因とは?


めまいは、一概にこれが原因でめまいが起きると断言することは非常に難しい症状です。
しかし、妊娠中の女性の場合では、ホルモンバランスの変化によってめまいが起きる可能性が高いといわれています。

理由は、妊娠後期の10週目くらいになると、HCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)という妊娠中に産生されるホルモンがいっぱいになり、その他にもエストロゲン、プロゲステロン、HPL(ヒト胎盤性ラクトゲン)といったホルモンが多く分泌されます。
これは、妊婦さんが出産後に赤ちゃんを育てるための準備でもあり、妊娠が発覚してから産むまでの間に多く分泌されるのが特徴です。
しかし、このホルモン分泌が急激なスピードで起きると、自律神経のバランスが崩れめまいの症状につながります。
さらに、体のホルモンバランスが崩れると、体調不良にもつながるため、めまいだけの症状だけではなく、肌にシミができたり、髪の毛が抜けたりなどの症状を起こす場合もあります。

また、ホルモンバランス以外には低血圧による貧血、三半規管の不調なども考えられるでしょう。

低血圧は、妊婦さんに非常に多く現れる症状です。
通常であれば体を起こしたり、立ち上がるときには血圧を上げて、血流を多く流すようにしますが、妊娠中の場合、血圧のコントロールがうまくいかず、酸欠状態になる場合があります。

また、三半規管の不調もめまいの原因になります。
人間の耳には平衡感覚やバランスをつかさどる三半規管があります。
しかし、妊娠中ではホルモンバランスの乱れやさまざまな要因から三半規管が正常に機能しなくなり、吐き気やめまいを引き起こす場合があります。

このように、めまいが起こる原因は一つに断定はできませんが、可能性の高い原因としては、ホルモンバランスの乱れになります。また関連して、低血圧、三半規管の不調などが考えられるので、知識として頭に入れておくとよいでしょう。

めまいの種類は大きく分けて2つある

めまいには回転性めまいと非回転性めまいの2つの症状があります。
自分がぐるぐる回っているような感覚になるめまいを、回転性めまいといって遊園地などのコーヒーカップで目が回ってしまう症状に似ています。
一方で、非回転性めまいは、足元がフラフラするように浮いた感覚になるめまいです。
貧血気味の方が、いきなり立ち上がろうとしたときに起きる症状と似ています。

この2つの症状が妊婦さんに多いめまいの症状ですが、稀に他の症状を起こす場合があります。
それは、耳鼻科的な問題(良性発作性頭位めまい症、前庭神経炎、メニエール病、突発性難聴)た、脳梗塞や脳出血などの脳内の問題です。

そのため、妊婦さんはホルモンバランスが原因でめまいが多いといわれていますが、重大な病気も隠れている可能性があるので注意しましょう。

めまいが起きたときの対処法3つ


妊娠後期になると、ホルモンバランスの影響が大きく関係し、めまいが起きやすくなってしまいます。
しかし、めまいだからと安易な気持ちで考えていると、母子の健康に悪影響をおよぼす可能性があります。
そこで、以下ではめまいが起きたときの対処法を紹介します。

立ちくらみが多く、朝の寝起きになりやすい場合

人によって異なりますが、妊娠する前から低血圧や貧血気味の体質の方は、朝に起き上がるとクラクラ立ちくらみを起こす場合があります。
その場合は、ベットや布団から起き上がるときに、一気に立ち上げるのではなく、目が覚めたら一度、横になったまま体を動かしましょう。
軽い柔軟体操をすることで、体中の血液の循環がスムーズになり立ちくらみを予防できます。
妊娠後期になると、お腹も大きくなっているので、立ちくらみは危険です。大きいお腹に負担をかけずに、足を上に上げたり、腰を回すだけでも効果が現れるので、ぜひ試してみましょう。

つわりが原因でめまいが起こるパターン

妊娠中期から妊娠後期にかけても完全につわりの感覚が抜けずに、気持ち悪くなりやすい方もいるでしょう。その場合は、無理をせず食べられるものだけを口にするようにしましょう。
気持ち悪くなるのを恐れて、まったく栄養を取らないと、脳に回る栄養も少なくなるため、過度なめまいを起こしたり、空腹から気分が悪くなる場合があります、
そのため、少しでも多く栄養を取り入れ、めまいが起こりにくい体を作るようにしましょう。

めまいが治らないときは、専門医に相談する

めまいの感じ方は人それぞれ異なります。そのため軽度なめまいの症状の方から、立つのも困難になってしまう症状の方までいるでしょう。
そのようなめまいが、何をしても改善しない場合は産婦人科の医師に相談しましょう。
妊娠後期だからめまいが起きやすいと知っていても、実際に極度のめまいのなかで生活するのは非常に困難で危険です。
そのときには無理をせず、産婦人科の医師に相談してください。
貧血が原因でめまいの症状がでている場合には、鉄分のサプリメントなど処方してもらえるので、自己判断をせず、なるべく早くに相談しに行きましょう。

妊娠後期のめまいは、赤ちゃんにも影響はあるの?

めまいが原因で赤ちゃんに影響がまったくでないとはいい切れません。
例えば、妊娠さんの貧血がひどい場合、お腹の赤ちゃんに栄養や酸素が十分に回らなくなってしまう可能性があるからです。
妊娠中に、めまいが起こると、早産や低出生体重児が生まれるリスクが1.2倍に 上昇するという説も存在します。
また、めまいが原因でふらついたり、転倒するリスクがあるので注意が必要です。
しかし妊娠さんは、家のなかでじっとしているのではなく、妊娠さんも適度な運動をして体を動かさなくてはいけません。
妊娠後期になると、お腹の赤ちゃんを大きくなることから歩くのも大変になるくらい、お腹も大きくなるでしょう。
そのため、外で歩いている最中のめまいがひどくなると、転倒などでお腹の赤ちゃんへ危険がともないますので、慎重に行動しましょう。

まとめ

妊娠中のめまいはホルモンバランスの乱れが原因で起きる可能性が高いともいわれています。しかし、ホルモンバランス乱れが原因でめまいが起きると断定できないのも事実です。
そのため、低血圧や三半規管の不調の可能性も十分にあるのは覚えておきましょう。
妊娠中はさまざまな体の変化から、あらゆる症状が起きますが、めまいがひどく治らないときは無理せず、産婦人科などの検診をしっかり受けてください。
また、外出をするときにめまいがひどいときは外出先での転倒リスクなどを考慮して、少し休み、めまいが弱い時間に行動にしましょう。
お腹の中の赤ちゃんを第一に考え、少しでも良い改善方法を実施してください。

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