切迫早産とはどのような状態のことを指すの?主な症状を知ろう!

出生前診断

切迫早産とはどのような状態のことを指すの?主な症状を知ろう!

切迫早産という言葉をご存じでしょうか。簡単に言えば「早産になりかかっている」状態のことを表しますが、よく知らないという方も多いでしょう。

今回は切迫早産とはどんな状態なのか詳しくお伝えするとともに、原因や「人口早産」を検討するべきケースなどを詳しく解説します。さらに、切迫早産を予防するために自分でできることをピックアップしてご紹介します。

妊娠されている方全員、関係のない話ではありませんので、ぜひ知っておきましょう。

切迫早産とはどのような状態のことを指すの?

切迫早産とは、妊娠22週以降37週未満の時期に「早産」になりかかっている状態のことをいいます。

早産とは、妊娠22週以降37週未満の出産こと。予定よりも早く産まれることで、発育が充分でなく、低体重児となる可能性が高くなります。低体重児は体温を保ちにくく、低体温や低血糖、貧血などの症状が出やすいため、できるだけ早産を避けることが望ましいとされます。

お腹が張っている、おなかが痛い、子宮収縮が一定間隔で発生している、子宮口が開きはじめている、出血がある、破水しているなど、出産前に近しい症状が現れるのが特徴です。

破水によって羊水が出続けてしまうとお腹が痛くなりやすいことに加えて、羊水が減ることで赤ちゃんを圧迫する危険があります。

切迫早産の症状として、出血やお腹の痛みといった自覚症状が表れます。妊娠の初めごろは出血が少量、または多く見られる場合があります。

血が止まらず、何度も繰り返す、または量が多くといった症状が続くと切迫流産の可能性が高くなりますのでその場合はすぐに受診してください。

治療方法として、子宮口が開かないようするために子宮収縮制御剤というものを経口薬か点滴薬を使って治療します。菌が膣内へ感染してしまう可能性がある場合には抗生剤を使用する事もあります。

そこまで子宮口が開いていない場合は外来受診での治療になります。しかし、子宮の収縮が強く、子宮口が大きく開いていて進行している状態であれば安静が必要となります。入院する必要もあり、子宮収縮抑制剤の点滴薬で治療していきます。

妊娠22週から36週までを早産といい、この期間であれば、赤ちゃんがお母さんのお腹へ出ても外の世界で生きていけます。

早産には人工早産と自然早産があります。

人工早産

お母さんや赤ちゃんに問題が起きたときは妊娠の状態を継続するのが難しくなります。命を守るために人の手をもって強制的に出産させることを人口早産といいます。

自然早産

お母さんや赤ちゃんの理由で妊娠37週未満より早く生まれてきてしまうことです。
陣痛がきて出産することがあります。この自然早産は出産の7割となっており、比較的多い確率で発生します。

早く生まれてしまったとしても必ずしも赤ちゃんの体に影響を及ぼすとは限りません。しかし、お腹の中にいる時期が短いと体が小さいまま生まれてくるので、病気の症状が重くなりやすい場合があります。

合併症では、脳性麻痺や視覚障害、難聴、運動機能の低下や言葉の遅れ、慢性肺疾患、心疾患などのリスクがあります。他にも知的能力障害や自閉症、ADHD(注意欠如・多動症など)も起こりやすく、感染症もかかりやすい傾向があります。

切迫早産が起きてしまう主な原因や人口早産を検討するケース


切迫早産の原因にはどんな原因があるのでしょうか。
ここで、切迫早産の主な原因についてお話しします。

原因1.感染症

子宮に細菌が入り込み、炎症が起きると、絨毛膜羊膜炎を引き起こします。すると破水や子宮の収縮、陣痛を誘発する可能性があるのです。

妊娠中は膣内の常在菌のバランスが悪くなり、感染症にかかりやすくなります。
異常を感じたら早めに受診するようにしましょう。

原因2.双子や三つ子などの多胎妊娠

多胎妊娠は子宮がより大きくなるため、早めにお腹が張りやすい傾向があります。多胎妊娠の分娩は、病気にかかりやすく赤ちゃんの命の危険があります。そういったリスクを避けるために、自然分娩よりも帝王切開による出産をおこなうこともあります。

原因3.高齢出産によるリスク

近年、結婚が遅くなる影響などから増えている高齢出産(35歳以上)は、早産の可能性があります。

原因4:子宮頸管無力(不全)症のリスク

赤ちゃんが出てきてしまうところを子宮頸管といい、普通なら陣痛が始まってから子宮口が開きますが、痛みが全くないままやなかなか気づかないことで開いてしまい、赤ちゃんが出てきてしまう症状が子宮頸管無力症です。

原因5:子宮異常のリスク

子宮筋腫や子宮の形の異常なども、早産の可能性があります。胎盤が子宮の出口をふさいでしまう前置胎盤や、胎盤が子宮の壁から剥がれてしまう常位胎盤早期剥離という状態は、人工早産を行うことも考えなければいけません。

原因6:生活習慣の乱れのリスク

妊娠中のダイエットは体にはよくありません。無茶なダイエットして痩せすぎると、赤ちゃんに必要な栄養分が行き届かず発達が遅くなる可能性があります。
発達が遅くなると羊水が多くなり、陣痛が始まる前に前期破水を引き起こしやすくなります。
これらを避けるためにはお母さん自身が自覚を持つことです。後悔しないためにも生活習慣に気をつけなければいけません。

原因7:高血圧のリスク

妊娠中に血圧が高いことを妊娠高血圧症候群といいます。
ひどい状態になるとお母さんはけいれん発作を起こしたり、脳出血したり、命の危険性があります。
お母さんと赤ちゃんの両方の命に関わる最も危険な病気であり、最悪の場合、命を落とすことにもつながるため、最も避けたい病気です。

さらに妊娠高血圧症候群の合併症が悪化すると人工早産を検討しなければいけません。
妊娠20週目までに高血圧になると高血圧合併症妊娠といいます。さらに、妊娠20週以降に高血圧症になると妊娠高血圧症といいます。

早期型といって妊娠34週未満で高血圧になってしまうと、症状が重くなりやすいので気をつける必要があります。

切迫早産を予防する方法はある?


切迫早産を予防するにはどんな方法があるのでしょうか。
7つの原因の踏まえた上で、切迫早産にならないよう気を付けましょう。

予防1:たばこは吸わない

絶対にたばこを吸ってはいけません。お母さん自身と赤ちゃんのためにもたばこは絶対によくありません。妊娠中だけでも我慢しましょう。

予防2:無理をしない

無理をしない。ストレスをためない、疲れたら休むことです。
長時間の仕事や家事は心身の負担がかかります。
自分自身を大切にしましょう。

予防3:生活リズムを崩さない

生活リズムを崩さない。早寝早起きのように生活リズムを心がけることで太りにくい体作りになります。

予防4:妊娠中の性行為に気をつける

コンドームを使用しないで性行為をすると、感染症を引き起こしてしまう可能性があります。もし性行為をする場合は、必ずコンドームを使いましょう。

予防5:ダイエットをしない

無理なダイエットをしない。太るのが怖い気持ちはよくわかります。
でも食べなかったりするとお腹の赤ちゃんに必要な栄養分が行き届きません。お腹の赤ちゃんのためにもしっかり食べましょう。

「いつもと何か違う」と感じたらすぐに受診しましょう。早期発見・治療につながります。

まとめ

今回は、切迫早産について詳しくお伝えするとともに、予防法などもご紹介しました。切迫早産をできるだけ防ぐために、生活習慣などに気をつけて、元気な赤ちゃんを生んでくださいね。

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