妊娠から出産までの期間について

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妊娠から出産までの期間について

妊娠をすると、赤ちゃんが生まれてくるのが待ち遠しくなりますし、実際に生まれる日がいつになるのか気になるものです。そこで今回は出産までの期間や、個人差(正期産・過期産・早産)、そして妊娠期間の初期・中期・後期の特徴について紹介します。

出産までにかかる期間は280日(10カ月程度)


妊娠期間は、「十月十日(とつきとおか)」と昔から言われているように、10カ月程度であり、1年には満たないもののかなり長い月日がかかります。正確に言うと、スタートになる最終月経が始まった日から、280日目(40週)が出産予定日になります。「最終月経」とは、最後に月経(生理)があった日のことで、セックスをした日というわけではありません。ですので、赤ちゃんを作りたいと考えている場合は、前の月の月経が始まった日をちゃんと覚えておくことが大切です。そして妊娠では、月経周期になっている28日間を1カ月分と数えることになっているほか、1週~40週という週数が使われることが多いということもあわせて知っておくとよいでしょう。

予定日の計算方法については、まず最終月経の月が4月~12月だった場合は、その月の数字から「-3」をして、最終月経が1月~3月だった場合は「+9」をします。そして予定日の日にちについては、最終月経の日にちに「+7」をすると何日になるのかを知ることが可能です。例えば、最終月経が4月1日だった場合は、月が「4-3=1」で、日が「1+7=8」なので、予定日は翌年の1月8日になります。さらに最終月経が1月28日だった場合は、月が「1+9=10」で、日が「28+7=35」なので10月35日になり、超過した日にちを翌月分として換算すると11月4日が予定日になります。また、予定日の計算はWebサイト上の計算ツールを使うと簡単に知ることができるので、そちらを活用するのもよいでしょう。ただし、こうした方法によって算出された予定日は、あくまでも目安であり、実際はその予定日からズレることもよくあります。より正確な予定日は、医療機関で、8~11週のときに超音波検査によって胎児の状態を確認したうえで算出することができます。

このように、予定日は医療機関で検査をすることで知ることができるので、最終月経が分からない場合でも予定日が分からないということはないので、その点は心配する必要はないでしょう。そもそも予定日や週数というのは、いつ赤ちゃんが生まれるかということだけでなく、胎児の発育状態を診断したり、帝王切開などをするときにとても重要なものになります。それに、出生前診断(NIPT)は、10週から受けることができるため、そのタイミングを知るためにも予定日や週数は大切になると言えます。

「個人差」や「正期産」について

妊娠期間は、一般的に、28日という月経周期を1カ月とするやり方で算出されますし、それが一つの目安になります。しかし、月経周期には「個人差」があるため、一般的な28日という周期よりも短い人もいれば長い人もいます。このことは排卵日がいつになるかということに影響してくるので、月経周期が短い人は予定日がやや早くなり、長い人はやや遅くなるということが起こるのです。そして月経不順だった場合も、通常の排卵日がズレてしまい、予定日がやや早くなったり遅くなったりすることがあります。より正確な予定日を知るには、排卵日が重要であり、その日が分かればそこから266日後(最終月経による予定日である280日からマイナス14日)が予定日になることが分かります。

排卵日というのは、月経のように目に見える変化はあまりないので分かりにくいのですが、基礎体温の記録や排卵検査薬によって調べることが可能です。そして妊娠期間には、問題なく出産できる期間である37~41週を指す「正期産」と呼ばれるものがあります。37週は、胎児が十分に発育している状態にあるため、いつ生まれても発育上問題がない状態になりますし、遅くても41週までの出産なら特に問題はないということです。しかし42週を過ぎると「過期産」と呼ばれ、胎盤の機能低下や巨大児、胎便吸引症候群といったリスクが高くなります。過期産のすべてのケースでそうなるわけではありませんが、40週を過ぎた場合は、リスクを回避するために誘発分娩などの処置がおこなわれることがあると言えるでしょう。逆に、22~36週という早すぎる出産は「早産」と言い、胎児の発育が不十分になることで病気や感染症のリスクが高まりますし、21週以前は「流産」になってしまいます。

しかし全体的に見ると9割は正期産になるというデータもあるため、過期産や早産のリスクはあるものの、多くの人は問題ないと言えるでしょう。また、初産の場合は予定日よりも超過しやすく、経産(お産をすでに経験したことがある)は早く生まれやすいという説がありますし、実際に初産は経産よりも予定日を超過する傾向にあることを示すデータもあるようです。

妊娠期間には初期・中期・後期がある


妊娠期間は、初期(0~13週/1~4カ月半ば)・中期(14~27週/4カ月半ば~7カ月)、後期(28週以降/8~10カ月)の3つに大きく分けることができます。まず「初期」は、1カ月目(0~3週)ではまだ自覚症状がありませんが、2~3カ月(4~11週)になると、月経の遅れによってその可能性に気づくことになるため、その場合は産院で検査を受けるようにしましょう。2~3カ月目は、ホルモンの激しい変化によって「つわり」などが出てき始めるのが特徴で、吐き気などの不快な症状を感じるケースが多くなります。特につわりは、5~6週頃から出始めると言われており、体調も悪くなってしまうことがありますが、無理をせずにゆっくりと過ごすことが大切です。

また、つわりのときは、食事が満足にできない状態になることもありますが、本人が「食べたいときに食べたいものを食べる」だけでも、とくに問題はありません。次に「中期」は、おなかも大きくなってきて、つわりなどの症状も治まってくるときであり、安定期とも言われています。そのため、少し安心して活動的になってしまう人もいるのですが、激しいスポーツなどは避けるべきです。禁止されているスポーツとしては、空手や柔道、ボクシングといった体がぶつかり合うものや、酸素濃度が落ちるスキューバダイビングなどが挙げられます。そして中期は、おなかも大きくなってくるのでマタニティウェアの準備を始めるとよいと言えます。また、この頃になると、ほとんどの人が胎動を感じられるようになるため、お腹の中にいる赤ちゃんの存在をより身近に感じることができるでしょう。最後の「後期」は、おなかがもっと大きくなって、下腹部などにできる妊娠線もはっきりと見えるようになります。

しかしおなかが膨らむことで胃が圧迫されて、食欲がなくなったり胃がむかついたりする症状が現れるほか、腰痛やむくみを感じることがあります。ですので、そうした症状がひどく現れた場合は、医師や助産師に相談して対処法などを教えてもらうようにしましょう。そして10カ月目(36~40週)に入ると、いよいよ臨月になるため、陣痛がいつ始まってもいいように、準備を万全に整えておくことが大切です。また、出血で急に入院したり、早産になったりするケースもあるので、そのことも頭に入れておいたうえで準備を進めることが重要でしょう。

妊娠期間は、一般的に280日(10カ月程度)が目安とされており、最終月経を起点に算出されますが、これは一つの目安であり個人差があります。この妊娠期間は、つわりのある「初期」と、安定期である「中期」、そして臨月にさしかかる「後期」の3つに分けることができます。

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