妊娠中の空腹における原因と対処法を知ろう

妊娠するとつわりで食欲がなくなる方もいる一方で、空腹に悩まされる方もいます。ではお腹が空く原因には、どのような理由があげられるのでしょうか。お腹が空く原因を把握することで、適切に対応していくことにつながります。またお腹が空いたときに、どのような対応をするかもポイントの1つです。お腹が空いたからといって食べすぎたら、体調不良や胎児に影響が出るリスクもあります。そのようなリスクを下げるためにも、お腹が空いたときの適切な対処法を考えていくことが大切です。

妊娠時にお腹が空きやすくなる理由は何か

妊娠するとつわりに悩まされることで、食欲がなくなるというイメージを持っていませんか。確かにつわりが原因で食事がしっかりと摂取できずに悩む方も見られます。その一方で、食欲が増加するという方もいるのです。では妊婦の食欲が増す原因には、どのような理由が考えられるのでしょうか。その理由の1つとしてあげられるのが、ホルモンバランスの変化です。女性ホルモンは、妊娠すると急激に増加してホルモンバランスが変化します。ホルモンバランスは、吐き気などのつわりの症状や空腹感にもつながる要素だという見方があります。ホルモンバランスの乱れが胃腸に影響している可能性があるので、適切に対処していくことが大切です。また妊婦の場合、摂取したエネルギーは自分自身の生命活動の維持だけではなく胎児にも栄養が使われます。胎児にも栄養を送ることで、普段よりも体は多くの栄養素を必要としています。

そのため母体の栄養が不足したことで、普段よりもお腹が空きやすくなる傾向も見られます。ほかにも注意が必要な点の1つが、血糖値が下がっているという状態です。妊婦が注意しなければならない点として、血糖値を下げるインシュリンというホルモンが分泌されやすくなるという点があげられます。インシュリンが多く分泌されると、低血糖状態になります。低血糖状態だとエネルギー効率が悪くなって、内臓機能が低下します。そして下がった血糖値をあげるために体は、お腹が空いたというサインを出すのです。このような流れから、お腹が空きやすくなる可能性もあります。さらに自律神経の乱れにも注意が必要です。ホルモンバランスが乱れるだけではなく、自律神経が乱れやすくなります。自律神経の乱れをもとに戻そうとすると、胃腸の働きがよくなって空腹につながります。このように、妊婦が空腹を感じやすい原因にはさまざまな理由があげられます。具体的にどのような理由があるのか把握することが、適切な対応を考えていくための最初の一歩です。

食事の摂り方を工夫することが大切

妊娠中に空腹を感じやすくなることは、誰にでも起こる可能性があるので心配する必要はありません。理由があってお腹が空くのだからこそ、そのような状況のときにどのような対応が必要か考えていくことが大切です。例えばお腹が空いたら、そのたびにご飯やお菓子などをしっかりと食べてしまう方もいます。しかし1日に何度もしっかりとした食事を摂取していたら、食べすぎて太ってしまうなどのリスクがあります。そのようなリスクを減らすためにも、どのような対処法が必要になるのか考えていきましょう。頻繁にお腹が空いてしまうという方は、1回ごとの食べる量を減らして回数を増やしていくのも1つの手です。普段の朝ごはんの量を半分にして、10時ごろ残りの半分の量を食べるというように回数を増やすことで、トータルの食事の摂取量が大きく変わるリスクを下げられます。実際に食べる回数は、自分のお腹の空き具合やその日のスケジュールなどに合わせて考えていくことが大切です。

また食事の摂り方は、回数以外のポイントから工夫していくことも可能です。ポイントの1つとしてあげられるのが、食事の内容を噛み応えのあるものにするという点です。人はよく噛んで食事をすることで、満腹を感じやすくなります。そのため噛み応えのある食事にすることで、すぐにお腹が空くのを防ぐことにつながります。普段より多めに噛むことを心がけることも忘れないようにしましょう。もちろん噛み応えだけではなく、栄養バランスを考えることが大切です。妊婦に不足しがちな栄養素などを確認しながら、バランスの取れた食事を心がけることも必要です。食事をするときに忘れてはいけないのが、落ち着いてゆっくりと食べることです。短い時間で急いで食事をしようとすると、噛む回数が減って満腹感が感じにくくなります。ゆっくりと落ち着いて食事をすることで、自然と噛む回数を増やせます。忙しい毎日でも落ち着いて食事ができる環境を整えていくのもポイントの1つです。

スープを飲むなど間食するものにも注意すること

食事回数を増やして妊娠中の空腹に対応する方法があるといわれても、仕事をしていると食事の回数を増やすのは難しいということもあるでしょう。そのような場合であれば、間食の方法で工夫するのも1つの手です。食事の合間に間食することで、小腹が空いた状態を上手にやり過ごすことが可能です。このときに注意が必要となるのが、どのようなものを食べたらいいのかという点です。間食といわれると、クッキーなどの甘いお菓子をイメージする方も多くいます。クッキーなどは手軽に摂取できるというメリットがあるものの、食べすぎると糖分や脂質、さらには塩分の摂りすぎになってしまうリスクがあります。栄養バランスに気を付けることは胎児にとっても大切なことなので、お菓子の食べすぎには注意が必要です。糖分や脂質を多く摂取することなく間食をするなら、手作りするのも1つの手です。時間に余裕がある方であれば、自分で栄養素に気をつけながら手軽につまめるものを用意しておくことが可能です。またナッツを選ぶという選択肢もあげられます。ナッツは手軽に食べられるものの、ケーキなどの洋菓子に比較すると糖分が少ないので安心して食べられます。さらにシュガーレスの飴やガムなどを食べて、気持ちを紛らわすという方法もあります。

ほかにも手軽にできる間食の選択肢の1つが、野菜スープなどを摂取することです。野菜スープを作っておけば、小腹が空いたときでもすぐに温めて飲めます。食物繊維が豊富な野菜を入れて作ることで、食べすぎ防止にもつながります。また栄養バランスを考えて間食がしやすいというのも、野菜スープを飲むメリットの1つです。また空腹を紛らわせたい場合、無糖の炭酸水を飲んでみましょう。小腹が空いたという感覚であれば、無糖の炭酸水を飲むことで気持ちを紛らわせることが可能です。炭酸水はお腹が膨れるので、次の食事までの時間稼ぎに適しています。ただし糖分の摂りすぎに注意するためにも、無糖のものを選ぶことが大切です。ただしお腹がかなり空いているときには、炭酸水だと効果が低いので注意しましょう。

妊娠中の空腹は、ホルモンバランスや自律神経の乱れなどが原因で起きる可能性があります。誰にでも起こる可能性があることなので、適切に対処することが大切です。対処するときに注意が必要なのが、お腹が空いたからといって食べすぎないことです。頻繁にお腹が空くなら、食事の回数を増やすなどの方法で対処するのも1つの手です。1回あたりの食事の量を減らして回数を増やすことで、食べすぎを防ぐことにつながります。また食事の回数を増やすだけではなく、間食を工夫することも大切です。ナッツやガムなど、よく噛んで食べる必要があるものなどを選びましょう。野菜スープを飲んで、お腹を落ち着かせるという選択肢もあげられます。