新型出生前診断はいつから受診できる?タイミングを見極めよう!

出生前診断

新型出生前診断はいつから受診できる?タイミングを見極めよう!

おなかの赤ちゃんの状態を知ることができる新型出生前診断の受診を考えているのならどのタイミングで受けたらいいのかを知っておくべきでしょう。受けられる時期が限定されるなら、その時期を逃さないように、より効果的に診断してもらえるのなら、その時期に合わせたいものです。本記事では受診のタイミングについて解説していきます。

妊娠してから出産するまでの流れ


妊娠してから出産するまでは、母体にも様々な変化が起こります。初めての出産なら戸惑うことも多いもの、どのような流れになるのか知っておくことで、不安も軽減させることができますよね。

妊娠初期(4~15週)

妊娠していることは、外見からは分からないことが多いです。個人差はありますが、次のような症状が現れる傾向があります。

・つわり
・お腹がはる
・腰が重く感じる
・便秘気味になる
・トイレが近くなる

つわり意外だと、普段でも感じることがある症状なので、妊娠しているとは気がつかない可能性もあります。もし妊娠の可能性があり、このような症状が複数現れるのなら、慎重に行動した方がいいでしょう。妊娠が分かった時、あるいは妊娠の可能性が高い場合は、飲酒や喫煙は胎児や母体に悪影響を及ぼすのでやめるようにします。特に、流産しやすい妊娠8~11週の間は、普段の生活にも気を付けるようにしてください。母子手帳を受け取るのはこの時期に、役所で妊娠届を提出することでもらえます。

妊娠中期(16~27週)

流産しやすい時期を経過し、安定期に入るのが16週以降になります。この頃になると、おなかの膨らみが分かるようになり、妊娠前とは違う体の負担を感じるようになります。妊娠中期に現れやすい症状は次の通りです。

・手足、顔のむくみ
・貧血

貧血は妊娠すると多くの人の見られる症状で、妊娠前から貧血気味なら注意するようにします。鉄分の多い食品をとるなどし、必要に応じて病院で鉄剤が処方されることもあります。安定期に入ったことで、この頃から出産や入院の準備や育児に必要なものを揃えるようにしましょう。

妊娠後期(28~41週)

おなかの膨らみがさらに目立つようになり、妊婦らしい体型になります。体重も増加するため、体の負担もピークになり次のような症状が現れやすくなります。

・背中や腰に痛みを感じる
・動悸や息切れ
・胸やけ
・トイレが近くなる

思うように動けないこと、出産への不安からイライラすることもあるかもしれません。里帰りや産前休暇に入る時期ですが、臨月になってからの遠出は避けるようにしてください。十分な栄養と睡眠を取り、気持ちを落ち着かせて出産に備えましょう。

出産

妊娠40週近くになったら、いつ生まれても良いように準備しておくことが大切です。いよいよ出産となった時に、次のような兆候がみられます。

▪おしるし
陣痛が起こる前に少量の出血が見られることがあり、これを「おしるし」といいます。これは卵膜という羊水の入っている膜が子宮壁から剥がれることで起こるのですが、鮮血ではなく粘膜とともに排出される血が混じったようなおりものです。おしるしが見られると、お産が近づいたということです。

▪破水
破水は卵膜が破れることで起こりますが、陣痛前に起こる場合と、陣痛が始まってから起こる場合があります。量については個人差があり、尿漏れと間違うくらい少量のこともあれば、大量に出て明らかに破水したと分かる人もいます。

▪陣痛
子宮の収縮によって起こる陣痛は、最初は不規則な間隔で痛みが起こりますが、徐々に規則的になりその間隔が短くなっていきます。痛みがどんどん強くなり、間隔が10分おきになるといよいよ出産となります。

これらの症状が現れたら病院に連絡しますが、出産が始まるまでの時間には個人差があります。子宮口が10㎝まで広がると分娩になりますが、初産婦なら1~2時間、経産婦なら30分~1時間程度かかるのが一般的です。

新型出生前診断はいつから受診できる?

新型出生前診断は、出産前におなかの中の赤ちゃんの健康状態を知ることができる検査です。妊婦さんの採血のみで簡単に受けることができる検査ですが、受診可能になるのは妊娠10週目以降、いつまでという期限はありません。

期限がなければ出産までの間のいつでもいいと思うかもしれませんが、新型出生前診断によって陽性の判定が出た場合は、確定するための羊水検査を受ける可能性もあるため、早めの受診がおすすめとなります。

羊水検査は、妊婦さんのお腹に針を刺して羊水を採取するという、胎児や母体に危険が及ぶ可能性のある検査ですから、妊娠後期はより危険が増す恐れがあります。また、もし陽性の結果により人工妊娠中絶を選ぶ可能性があるのなら、妊娠後期では難しくなってしまいます。検査結果が出るまでに2週間程度かかることも考えると、体調にもよりますが妊娠10週目を過ぎたら早めに受診するのがおすすめでしょう。

受診できる医療機関について

日本産科婦人科学会の指針では、新型出生前診断の検査を行うことができるのは認定医療機関のみとしていますが、それ以外の病院でも受けることは可能です。日本産科婦人科学会では、新型出生前診断を受診可能な対象が基本的に35歳以上の妊婦としていますが、35歳未満の妊婦は受診することができないことになります。

そうはいっても、妊婦さんの年齢に関係なくおなかの中の赤ちゃんの健康状態は心配になりますよね。最近では35歳未満の妊婦さんでも受診できるよう、認定外の医療機関で新型出生前診断を受診できるようになりました。認定外の医療機関で新型出生前診断を行うことは違法ではありませんし、信頼できる医療機関で受診することに問題はないので安心してください。

新型出生前診断のメリット


新型出生前診断のメリットについて解説していきます。

母体や胎児への影響を心配しなくていい

新型出生前診断は妊婦さんの血液を少量採取して調べるもので、胎児への影響はありませんし母体への負担も採血の針を指す痛みくらいなので、安心して気軽に受けることができます。

新型出生前診断以外の出生前診断では、染色体異常の有無を調べる確定的検査の場合、腹部に針を指して羊水や絨毛を採取するという、流産のリスクが高く母体にも負担をかける検査になってしまいます。

精度が高い

流産のリスクが高い確定的検査以外に、母体や胎児への負担が少ない非確定的検査もあります。妊婦検診の際に行われる超音波検査も非確定的検査ですし、妊婦さんの血液から診断する母体血清マーカーも非確定的検査、そして新型出生前診断も非確定的検査になります。

母体血清マーカーも新型出生前診断も、同じような方法で行う検査なので、どちらでもいいのでは?と思うかもしれません。しかし、この2つは精度が異なり、母体血清マーカーの場合は感度が80~85%程度、一方新型出生前診断の場合は98~99%と、非常に高くなっています。

早期の検査が可能

妊娠10週頃から検査が可能であることから、少しでも早く胎児の状態を知りたい人にとってメリットがあるだけでなく、早期に知ることでその後の準備期間も長く取ることができ、出産後のことなどについてもじっくりと考える余裕を持つことができるでしょう。

もし新型出生前診断で陽性の判定が出た場合は、確定するための羊水検査の実施を推奨しているのですが、羊水検査は妊娠15~18週までの間に実施します。早めに新型出生前診断を受診しておけば、結果が出てから羊水検査までの間、考える時間を多く持つこともできます。

検査は短時間で終わる

検査のために何度も病院へ足を運ぶのは、妊娠している女性にとって負担となりますよね。新型出生前診断なら、1回の来院で検査も採血だけなので短時間で済みます。働きながら出産を控えている人や、すでにお子様がいる方にはメリットの大きな検査だといえるでしょう。

新型出生前診断の検査結果の種類

新型出生前診断の結果は3種類あり、陰性、陽性、保留に分類されます。

新型出生前診断の検査結果が陰性だった場合、胎児がトリソミーである可能性は低いでしょう。NIPTで陰性だと判断されたときの的中率は高く、実際に異常がないケースがほとんどです。

また、出産時の年齢が30歳以上であれば年代に問わず陰性判定のうち99%以上が実際に陰性である可能性が高いです。

しかし、非常に稀なケースとして検査では陰性だったのにトリソミーを持つケースがあります。こういったケースは偽陰性と呼ばれています。

一方で新型出生前診断の検査結果が陽性だった場合、胎児がトリソミーである可能性が高いでしょう。しかし的中率は陰性ほど高くないので、必ず陽性だとは言い切れません。

陰性の場合と同様に、検査では陽性だったのに胎児がトリソミーを持たない、偽陽性のケースがあります。また、陽性が出た場合は確定的検査である羊水検査を行って結果を明らかにすることもあります。

陰性・陽性のほかに、稀に検査結果が「保留」になる場合があります。採取した血液に胎児のDNAのかけらが少なかったり、服用している薬の影響であったりと原因はさまざまです。

判定が保留になった場合は、専門家のカウンセリングを行いながら、もう一度検査を行う、あるいは確定的検査に進んで結果を明らかにするといった対応をします。

まとめ

新型出生前診断は、妊娠10週目という早期から受けることが可能な検査です。妊娠中は検査を受けに病院に出向くのも負担になることがありますが、新型出生前診断なら1回の検査で済み、しかも短時間で終わり母体にも胎児にも安全な検査です。受診期間に期限はありませんが、検査結果によっては準備や心構えが必要になることから、早めの受診をおすすめします。

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