20代の方が出生前診断を受けるうえで気を付けるべきポイントとは?

出生前診断

20代の方が出生前診断を受けるうえで気を付けるべきポイントとは?

妊娠中は胎児の発育や病気の有無など、不安に感じることも多いのではないでしょうか。20代の妊娠でも、出生前診断を受けるべきか悩む方もいるでしょう。

そこで今回は、出生前診断とはどのようなものか、20代の方が出生前診断を受けるうえで気を付けるポイントについてお伝えします。20代で出生前診断を検討中の方はぜひ参考にしてください。

出生前診断とは?

出生前診断とは、子どもが産まれてくる前に発育状況や先天性の異常がないかを検査することです。問題が見つかれば治療を行い、出産前後の母子の健康を保つことが目的となります。

一般的な妊婦検診で行う検査は、胎児の発育状況を調べる超音波検査です。妊婦検診の際、染色体異常が原因で胎児が病気を持って産まれる可能性がある場合に染色体検査を行います。

染色体検査で分かることは、ダウン症など先天性の障害や病気の可能性があるかどうかです。そのため、染色体検査は医師の指示を受けて検査を検討する場合と、夫婦の意思で検査を希望する場合に分かれるでしょう。

染色体検査で病気が見つかった場合、出産を諦めるか判断する必要もでてきます。まずは出生前診断を受けるうえで、どのような検査方法があるのか理解しましょう。

どうやって検査する?

出生前診断の染色体検査には、確定診断と非確定診断があります。どのような違いがあるのか、以下を参考にしてください。

確定診断
ほぼ100%の確率で先天性異常の発見が可能です。羊水検査と絨毛検査の2種類があり、検査できる妊娠週数が異なります。お腹に針を刺すためわずかながら流産や感染症の危険があり、非確定検査で疑いが出た場合に用いられるケースが多くなっています。

非確定診断
染色体異常や奇形の可能性を見つけることができます。スクリーニング検査(超音波・母体血栓マーカー・NITP)を用いますが、異常が確定できるものではないため疑いが出た場合は確定診断を受けるか検討しなければなりません。

非確定診断(スクリーニング検査)の方法によって、判明する異常や費用、検査時期などが異なります。

出生前診断を受けるメリット

出生前診断を受けるメリットは、診断結果を現実的に受け止める時間があることです。
出産前に先天性の異常や病気の有無を知ることで、事前に心構えができます。妊娠中に先天性異常への知識を得ることや、産後の育児のサポート体制を整えるなどの準備期間を取ることも可能です。

出産後に先天性異常の事実を知るよりも、はるかにショックが少ないでしょう。診断で異常がないと分かれば、不安を抱えたまま妊娠期間を過ごすよりも安心して出産を迎えることができることもメリットではないでしょうか。

出生前診断のリスクと問題点


妊娠中に出生前診断を受けるリスクや、検査を受けるうえでの問題点は以下の通りです。

流産を引き起こす可能性がある
確定診断では、0.3%程度の可能性で流産を引き起こす可能性や感染症の危険があります。羊水検査ではお腹に針を刺して羊水を取る必要があり、絨毛検査では膣にカテーテルを通し胎児の絨毛を採取しなければなりません。

ほぼ100%の確率で先天性異常を判断できる反面、わずかながら母子へのリスクがあることを覚悟しておく必要があるでしょう。

検査費用がかかる
出生前診断を受けるには検査費用がかかります。検査内容によって費用が異なりますが、確定率の高い羊水検査は15万円程度必要です。

非確定診断のNITPは流産の可能性がなく高い精度の診断ができますが、保険適用外であるため20万円程度の費用がかかります。しかし100%の結果ではないため、診断を確定するためにはさらに羊水検査などを受ける必要があるでしょう。

確かな診断を受けたくても検査費用が負担となる場合があり、さらには確定診断の結果も絶対ではないことを理解しておかねばなりません。

検査可能期間が限られる
出生前診断は検査内容によって、比較的早期から受けられるものと検査可能期間が限られているものがあります。また、受けられる検査機関も限られているため注意が必要です。

例えば20代でNITP検査を受けたい場合、日本医師会認定の医療機関では受けられず、無認可の医療機関で受けることになります。無認可で検査を受ける際は、陽性診断がでた後のカウンセリングなどが行われない場合があるため注意が必要です。

倫理的な問題
出生前診断は、検査結果によっては出産するか諦めるかを判断する重大なポイントにもなります。命に関わる選択であることから、倫理的な問題として出生前診断を受けることをタブー視する意見もあるでしょう。

また、出生前診断で陽性結果が出てからの妊娠継続をするか判断する期間が短く、短期間での決断を迫られます。やむを得ない状況で出産を諦めた場合も、心身へのダメージや後悔の念に駆られる可能性が高いでしょう。

20代の方が出生前診断を受けるうえで気を付けるべきポイント


20代の妊娠で染色体異常が見つかるケースは、およそ1000人に一人の割合です。35歳以上の妊娠ではおよそ300人に一人の割合に増えるのと比べれば可能性は低くなります。

しかし、染色体異常が見つかる可能性がゼロではないため、20代でも出生前診断を受けたいと思う人はいるでしょう。20代の方が出生前診断を受けるうえで、気を付けるべきポイントを解説します。

出生前診断で判断できる先天性異常はごく一部

出生前診断ですべての先天性異常が判断できるわけではありません。ダウン症や奇形など一部の先天性異常に限られ、検査内容によっても診断できる遺伝子異常は異なります。

医学の進歩により特定可能な異常が増えているものの、すべてが分かるわけでなく特定不能なものもあることを理解しておきましょう。

先天性異常の疑いがある結果になった場合の判断を話し合っておく

出生前診断を受ける前に、先天性異常の疑いがある結果がでた場合の判断を夫婦で話し合っておきましょう。何も知らず安易に検査を受けた結果が陽性だった場合、さまざまな葛藤が産まれ今後の判断が難しくなります。

妊娠継続を希望するのか、異常があると分かったうえで育てていくことができるのかなどの考えを固めておくことが大切です。経済面や周囲のサポートがあるかなども含め、診断結果をどう受け止め行動していくのか方向性を決めたうえで検査を受けましょう。

出産を諦めた場合は心身へのダメージがあることを覚悟しておく

出生前診断の結果により、やむを得ず出産を諦める選択もあるでしょう。自分の身体に宿った命を諦めることで、心身へのダメージがあることも覚悟しておかなくてはなりません。

精神的ダメージがトラウマとなり精神病を発症する可能性や、身体的ダメージにより子どもを授かりにくくなるケースもあり得ます。

20代で出生前診断を受ける際は、妊娠継続しない場合の心身への負担が大きいことを慎重に考えて決断してください。

まとめ

出生前診断は、胎児の発育状況の確認や染色体検査により、先天性異常の可能性を見つけることができます。染色体検査では、非確定診断で先天性異常の疑いが判断された場合に確定診断を検討する必要があるでしょう。

出生前診断の結果により、無事に出産するための治療や今後の心構えができるメリットがある反面、費用面や心身へのリスクなどの問題点もあります。

20代で出生前診断を受ける際には、すべての先天性異常が発見できるのではないことを理解し、診断結果をどう受け止めるのかを夫婦で話し合っておくことが大切です。また、やむを得ず出産を諦める場合は心身へのダメージがあることも理解しておきましょう。

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