妊娠中はバランスの良い栄養素を摂るのが大切!重要な5つの栄養素を解説
妊娠中はバランスの良い栄養素を摂るのが大切!重要な5つの栄養素を解説
妊娠すると、母体の健康を保つためだけではなく、お腹にいる赤ちゃんの成長を助けるために多くの栄養素が必要になります。
妊娠前とは違い、妊娠中は二人分の栄養素が必要になるため、普段よりもバランスの良い食生活を心がけなければいけません。
本記事では、妊娠中に必要な栄養素や摂取する際の注意点を紹介します。
目次
栄養素の不足は母子ともに悪影響がある
母体が摂取した食べ物は栄養素となり、臍帯や胎盤をとおして、赤ちゃんへと栄養素が送られます。栄養素が不足してしまうと、母体の健康だけではなく、赤ちゃんの発育にも悪影響をおよぼすでしょう。
そのため、妊娠中にバランスの良い栄養素を摂取するのは非常に大切です。
つわりなどの影響もあって、バランスの良い食事を摂取するのが難しい場合もありますが、妊娠中はできるだけバランスの良い食事を心がけてください。
基本的に塩分を抑えた薄味の食事がおすすめ
基本的に妊娠中は塩分の多い食事はおすすめできません。
妊娠中の母体は、「妊娠高血圧症候群」という症状が発生しやすいため、塩分が多くなってしまうと、そのリスクも高まってしまいます。
女性の一日の塩分摂取量は7g程度とされていますが、妊娠中には10g程度の摂取が目安です。
しかし、一日の塩分摂取量が増加したからといって、塩分を多く摂取するのではなく、薄味の減塩された食事をおすすめします。
妊娠中に必要な栄養素は?
妊娠中は、母体の健康を保つためだけではなく、赤ちゃんをしっかりと成長させるためにもバランス良く栄養素を摂取するのが大切です。
妊娠中の妊婦さんが必要とする栄養素は以下のとおりです。
たんぱく質
妊娠中は、お腹の中の赤ちゃんの筋肉や血液を作るために必要な栄養素です。
たんぱく質は以下のような食品に含まれており、比較的摂取しやすい栄養素となります。
・赤身肉
・鶏肉
・魚
・卵
・乳製品
・大豆製品
また、妊娠中の推奨摂取量は、1日あたり60g~71g程度 のたんぱく質の摂取が推奨されています。
牛乳1杯あたり約10g 、納豆1パックあたり約7.4g のたんぱく質が含まれるため、それを目安して積極的にたんぱく質の摂取を心がけてください。
鉄分
妊娠中は、お腹の中の赤ちゃんへ栄養素や酸素を送るために、母体の血液量が増加します。増加する血液量は、妊娠前と比べると約1.5倍になるともいわれているのです。
そして、この血液を作るために鉄分が多く必要となります。
鉄分が不足してしまうと必要とする血液量を作れず、貧血を引き起こしてしまうこともあるでしょう。
また、赤ちゃんに十分な栄養素や酸素を送れなくなってしまうため、赤ちゃんの発育が悪くなる場合があります。
つまり、母子ともに健康に過ごすためには、鉄分は欠かせないのです。
鉄分は以下の食品に多く含まれています。
・魚
・鶏肉
・豆類
・ドライフルーツ
・卵
・レバー
・赤身肉
・豆腐
・小松菜
・ほうれん草
また、妊娠中の推奨摂取量は、1日あたり27mg の鉄分の摂取が推奨されています。
豚レバー60gあたり7.8mg、ほうれん草70gあたり2.6mgの鉄分 が含まれているので、積極的に摂取しましょう。
カルシウム
妊娠中にカルシウムを摂取するのは、お腹の中にいる赤ちゃんの骨と歯を形成するために大切です。
カルシウムの摂取が足りない場合、母体にあるカルシウムが赤ちゃんへと送られるので、母体の骨密度が低下し、母体に悪影響をおよぼす場合もあります。
そのため、カルシウムが不足しない食生活を心がけましょう。
カルシウムは以下の食品に多く含まれます。
・牛乳
・ヨーグルト
・チーズ
・小魚
・葉のついた野菜類
また、妊娠中の推奨摂取量は、1日あたり1,000mg の摂取が推奨されています。
牛乳1杯あたり220mg、ししゃも1匹あたり149mg、小松菜70gあたり119mg のカルシウムが含まれるので、妊娠中のカルシウムの摂取を心がけてください。
葉酸
葉酸はお腹の中の赤ちゃんの脳を発育させるために、大切な栄養素です。
葉酸を多く摂取すると貧血の予防にもつながるだけではなく、赤ちゃんの「神経管閉鎖障害」のリスクも低減できます。
葉酸は、尿とともに流れ出てしまう栄養素なので、妊娠中は積極的に摂取しましょう。
葉酸は以下の食品に多く含まれます。
・モロヘイヤ
・ほうれん草
・ブロッコリー
・納豆
・いちご
・ナッツ類
また、妊娠中の推奨摂取量は、1日あたり480μg の摂取が推奨されています。
ほうれん草60gあたり126μg、納豆1パックあたり60μg、いちご1粒あたり12μg の葉酸が含まれています。
これらの食品を積極的に摂取するのもおすすめですが、葉酸の吸収率は体によって異なるため、サプリメントから葉酸を摂取するのもおすすめです。
食物繊維
妊娠中は子宮が大きなったり、羊水が増えることで腸が圧迫され、便秘になりがちです。そのときの助けになる栄養素が食物繊維です。
食物繊維には、腸内の老廃物を排出してくれる役割があるため、便秘の解消にもつながるでしょう。
食物繊維は以下の食品に多く含まれます。
・玄米
・納豆
・おから
・こんにゃく
・里芋
・ごぼう
・バナナ
・きのこ類
・海藻類
また、妊娠中の推奨摂取量は、1日あたり約18g以上 の摂取が推奨されています。
ごぼう100gあたり5.7g、納豆1パックあたり3g、干ししいたけ100gあたり41g の食物繊維が含まれます。
食物繊維が多く含まれる食品と聞くと、ごぼうのイメージが多くありますが、実はきのこ類にも多く含まれているのです。
妊娠中に便秘気味でお腹が張りやすい場合は、きのこなどの食物繊維を多く含んだ食品を積極的に摂取するのがよいでしょう。
妊娠中の栄養素の摂取で気をつけるポイント
妊娠中は、母子ともに健康に過ごすためにバランスの良い食生活を心がけ、栄養素を多く摂取する必要があります。
しかし、単純に栄養素を多く摂取すれば良いだけではありません。
以下では、妊娠中の栄養素の摂取で気をつけるポイントを解説します。
ビタミンAの過剰摂取には注意
ビタミンAは、皮膚や目の粘膜を健康に維持するために必要な栄養素です。
妊娠中の母体にとっては欠かせない栄養素の一つですが、ビタミンAは脂溶性のため、体内に蓄積されやすい特徴があります。
そのため、ビタミンAを過剰摂取してしまうと、体内にビタミンAが蓄積され、赤ちゃんに先天異常を引き起こすともいわれています。
妊娠中のビタミンAの上限摂取量は3,000μgRAEとされていますが、食品のなかには高濃度のビタミンAを含む食品があるため、注意が必要です。
例えば、鶏レバーは14,000μgRAE、卵黄は480μgRAE、ほうれん草は450μgRAE程度含まれているため、注意していないと、上限摂取量をすぐに超えてしまうでしょう。
最近では、ビタミンAが含まれるサプリメントもありますが、過剰摂取によって赤ちゃんへ影響をおよぼす可能性もあるため、1日の摂取量を意識して摂取してください。
体重の増加には注意
妊娠中は多くの栄養素を必要とするため、おのずと摂取する食事量も増えてきてしまうでしょう。そうなると、体重が増加してしまうこともあります。
体重が増えてしまうと、妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病、巨大児分娩、帝王切開などさまざまなリスクが高まってしまうのです。
そのため、バランスの良い栄養素の摂取を心がけながらも、体重の増加には気を付けなければいけません。
生魚や生肉には注意
妊娠中になると免疫力が低下しやすくなるため、生魚や生肉を食べると感染症を引き起こすリスクがあります。
感染症になると、流産だけでなく、生まれてくる赤ちゃんの体に悪影響をおよぼすこともあります。
そのため、妊娠中に生魚や生肉は避け、十分に加熱してから食べるようにしてください。
まとめ
妊娠中は、母体や赤ちゃんを健康に保つために多くの栄養素が必要となります。
生まれてくる赤ちゃんのためにも、バランスの良い食生活を心がけるようにしてください。
しかし、妊娠中に必要とする栄養素は数多くあり、すべてを食事から摂取するのは難しいでしょう。
そのため、食事から摂取できない栄養素はサプリメントなどを利用し、調整するのをおすすめします。
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