膝は摩擦を与えやすい部位であるため、気がつかないうちに黒ずみが出やすい部位です。スカートやショートパンツを履いたときに黒い膝が目立つと、気になってしまう方もいるでしょう。膝の黒ずみは摩擦のみが原因ではありません。
今回は膝の黒ずみの原因や防ぎ方、おすすめのボディクリームなどについてまとめました。膝の黒ずみを改善したい方は、ぜひ記事を参考にしてください。
膝に黒ずみが発生する原因は?

膝が黒ずむ原因は主に次の2つです。
摩擦
膝へ必要以上に摩擦や刺激が加わると、皮膚の中では膝を守ろうとするための働きがおこなわれます。具体的には、角質を厚くし、摩擦や刺激などから膝を守ろうとする働きです。
角質が厚くなるとゴワゴワした触り心地になり、ゴワつきにより肌が黒く見えます。黒ずみは皮膚そのものが黒い色に変色するのみが原因と思われがちです。実際は角質が厚くなりゴワつくことでも黒ずんで見えます。
さらに膝へ摩擦を与え続けると、皮膚の中で小さな炎症を起こす場合も少なくありません。炎症が起こると皮膚は刺激を与えられたと判断し、皮膚を守るためにメラニン色素の生成を活発化させます。
メラニン色素は黒ずみの原因の一つです。メラニン色素は、量が多くなければ肌の生まれ変わりのサイクルであるターンオーバーとともに体外へ排出されます。しかし、炎症により過剰に分泌されると、排出しきれず皮膚に残り、色素沈着を起こして黒ずむため注意が必要です。
日常生活の中で膝をつく機会が多かったり、膝をつくのが癖になっていたりする方は、摩擦が黒ずみの原因と考えてよいでしょう。
紫外線
シミやそばかすのもとになる紫外線も、膝の黒ずみの原因の一つです。膝が紫外線を浴びると、膝の皮膚は紫外線による刺激を受けます。刺激を受けた皮膚は、角質で膝を守ろうとするため、メラニン色素の生成量も増えてしまうので注意が必要です。
ゴワつきと色素沈着が同時に起こると、皮膚の黒ずみが目立ってきます。膝をつく癖がなくても、日焼け止めを塗らず膝を出したファッションを頻繁に選んでいると、黒ずみが増していくでしょう。
乾燥
膝の皮膚の乾燥もまた、黒ずみと深い関係があるため注意すべきです。乾燥を感じてもすぐに保湿をおこなえば、黒ずみが起こるまでには至りません。
しかし保湿ケアをせず、乾燥状態を放置すると、膝の皮膚は乾燥による刺激を受け続けることになります。皮膚へ刺激を与えると、繰り返し説明しているように、角質が厚くなったりメラニン色素が過剰分泌されたりするため、乾燥が黒ずみの原因になるわけです。
膝をつかないよう意識し、日焼け止めをこまめに塗っていても膝が黒ずんでいる方は、皮膚の乾燥が黒ずみの原因と考えてよいでしょう。

膝の黒ずみを防ぐには?

膝の黒ずみを防ぐ方法は主に次の5つです。どれかが欠けるのみでも黒ずみはできやすくなるため、5つすべておこなえるよう意識しましょう。
膝用サポーターを使用する
仕事や家事、部活動などで膝をつく機会が多い方は、膝用サポーターを使用するとよいでしょう。膝用サポーターは膝の部分にクッションが入っています。そのため、膝をついても膝に直接刺激が伝わらず、床との摩擦も防いでくれるため便利です。
膝用サポーターにはサイズがあるため、自身に合うサイズを選んでください。大き過ぎるとサポーターの位置がズレ、摩擦や刺激を防げなくなるため注意しましょう。
また、通気性や汗の吸収レベルは商品ごとに異なります。汗をかきやすい時期に、通気性が悪く汗を吸収しにくい素材の膝サポーターを選ぶと、蒸れて肌荒れを起こす可能性があるため控えるべきです。
季節やシーンにあわせて、最適な素材のものを選んでください。そのほか、屋外で使用するのであれば、紫外線カット効果のある膝サポーターの使用がおすすめです。日焼け止めのみでも紫外線対策はできますが、膝サポーターにも紫外線カット効果があったほうが、より効果的に紫外線から膝を守れます。
紫外線対策をする
紫外線による膝の黒ずみを防ぐために、紫外線対策にも力を入れましょう。必ず使用すべきなのは日焼け止めです。一年中最高数値の日焼け止めが必要なわけではなく、季節やシーンによって使い分ける必要があります。
なぜなら、数値が高い日焼け止めほど皮膚に刺激を与え、黒ずみの原因となる可能性があるからです。
紫外線量が多くはない夏以外の季節は、SPF30前後、PA++前後の日焼け止めでもよいでしょう。夏の時期は最高数値に近い日焼け止めを使用したほうが無難です。
日焼け止め以外に、できれば紫外線が強い夏の時期は、膝に直接日光が当たるような服装を避ける方法も効果が期待できます。
膝が黒ずみやすい方は、夏場はとくにロングスカートやロングズボンなど、服で膝を保護できるようなファッションを選んだほうがよいでしょう。
そのほか、日傘で膝に日光が当たらないようケアする方法もおすすめです。紫外線は一年中降り注いでいるため、季節・天候に関係なく使用できる、雨晴兼用の日傘があるとよいでしょう。
膝の摩擦に注意する
日常生活の中で、膝に摩擦を与えないよう注意して行動することも大切です。膝サポーターをしていないときに膝を床につかないようにする、締め付けの強いロングデニムは着用を控えるなどはすぐにおこなえるでしょう。
締め付けの強いデニムやパンツ、スパッツは、皮膚との摩擦が起きやすいため、頻繁に着用すると膝の黒ずみにつながります。
週に数回程度であればよいですが、毎日着用することは避けましょう。そのほか、身体を洗ったり、マッサージをしたりする際に、皮膚を強くこする行為も膝に摩擦を与える原因です。
どのようなシーンでも、膝の皮膚に触れる際は、こすらず優しくなでるようにして余計な摩擦を与えないように心がけてください。
毎日保湿をする
膝の皮膚が乾燥した状態を放置すると、皮膚に刺激が与えられるため、黒ずみを悪化させる可能性があります。膝が乾燥したら保湿をするのではなく、膝が乾燥しないよう毎日保湿することが重要です。
保湿の際に使用する保湿剤は、ボディに使用できるものであれば、基本的にはどのような商品でも構いません。
ただし、肌に刺激となる成分が含まれていると、ボディクリームが刺激となり、黒ずみが起こる可能性があります。肌が弱い方はとくに、できる限り低刺激のボディクリームで保湿しましょう。
そのほか、膝の黒ずみケアによい成分が配合された保湿剤を選ぶと、保湿以外の効果も期待できるためおすすめです。黒ずみケアのサポートをおこなう成分については、後ほど詳しく解説します。
古い角質を取り除く
古い角質が蓄積すると、ゴワつきによって膝の黒ずみは悪化します。そのため、ボディスクラブやピーリング剤などを使用し、定期的に膝の古い角質を取り除きましょう。
ボディスクラブやピーリング剤は、通常のボディソープや石鹸などと比較し、角質は落とせますが肌への刺激が強めです。毎日の使用は肌へ刺激を与えるため控え、週に1〜3回程度の使用にとどめてください。
肌が敏感な方は、週1〜3回程度の使用でも、使用後に皮膚がヒリヒリと感じる場合があります。肌がダメージを受けていると感じる方は、別の商品に変更するか、2週間に1回の頻度に変えてみてください。
また、ザラザラとしたテクスチャーのボディスクラブやピーリング剤を使用する場合は、膝を洗う際の力加減に注意しましょう。強くこすり過ぎると、膝の皮膚に余計な摩擦を与えてしまうため逆効果です。
ボディクリームを塗るときと同じように、優しく肌をなでるように洗うことを忘れないでください。

膝の黒ずみにおすすめの成分

膝の黒ずみにおすすめの成分は次の7つです。配合されている数は一つでも多いほうが効果の期待値が上がるため、どの成分がいくつ配合されているかにも注目して商品を選びましょう。
尿素
尿素にはタンパク質を溶かす働きにより、皮膚を柔らかくする作用があります。
そのため、角質が厚くなったことが原因の黒ずみにおすすめの成分です。また、保湿作用もあるため、乾燥による膝の黒ずみ対策のサポートにもなります。
セラミド
セラミドには、水分を保持する作用と、バリア機能を正常にするサポートをおこなう作用があります。
そのため、乾燥による膝の黒ずみや刺激による黒ずみのケアにおすすめの成分です。バリア機能が正常な状態をキープできれば、刺激による黒ずみはできにくくなります。
ビタミンC誘導体
ビタミンC誘導体には、活性酸素を除去する作用があります。活性酸素が増えると黒ずみができやすくなるため、活性酸素の除去も黒ずみケアの一つとして重要です。
ビタミンC誘導体はビタミンCよりも安定性があり、壊れにくく、効果的に黒ずみケアができます。ビタミンC誘導体は美白有効成分の一つです。
プラセンタエキス
プラセンタエキスには、肌の新陳代謝を活発化させる作用があります。新陳代謝を促進させることで、黒ずみの原因となるメラニン色素の排出のサポートが可能です。プラセンタは胎盤から抽出されたエキスで、多くの栄養素を含んでいます。
レチノール
レチノールには、肌のターンオーバーを促進させる作用があります。ターンオーバーによってメラニン色素を排出させやすくできるため、膝の黒ずみケアに有効な成分です。
レチノールには濃度があり、濃度が高いほどA反応と呼ばれる好転反応が出る可能性があります。好転反応として赤みやかゆみが出る場合があるため、レチノールの濃度は低いものから使用したほうがよいでしょう。
ヒアルロン酸
ヒアルロン酸は保湿効果のある成分です。乾燥による膝の黒ずみが起こりやすい方は、ヒアルロン酸配合のボディクリームを使用するとよいでしょう。
美容クリニックの施術にあるヒアルロン酸注射は、黒ずみの改善ではなく、肌へハリを与えたり、シワを改善したりする目的のものです。黒ずみケアとは異なるため注意しましょう。
コラーゲン
コラーゲンには、肌にうるおい、ハリを与える効果があります。ヒアルロン酸と同じく、乾燥による膝の黒ずみケアにおすすめの成分です。
コラーゲンはサプリメントや美容ドリンクでの経口摂取もできます。経口摂取の場合は体内でコラーゲンを生成するサポートをおこなうため、黒ずみケアが目的であれば、ボディクリームで外側からコラーゲンを摂取したほうがよいでしょう。

膝の黒ずみをケアする方法

膝の黒ずみをケアする方法は次の5つです。まず自宅でできる方法から試し、効果が感じられなければ、クリニックでの治療を検討してみてください。
ボディクリームを塗る
膝にボディクリームを塗ると、黒ずみケアに役立ちます。ボディクリームを選ぶ際は、悩み別に配合成分をチェックしてから購入しましょう。たとえば、角質が気になる方は尿素、ターンオーバーの乱れが気になる方はレチノールがおすすめです。成分と各効果を参考にボディクリームを選びましょう。
ボディクリームは朝晩2回塗る方法がおすすめです。朝はスキンケアのついでや、外出前に塗るとよいでしょう。夜は入浴後に塗ってください。入浴後は体温が上昇し、膝の皮膚は通常時より乾燥しやすい状態です。乾燥を悪化させないよう、入浴後はすばやくボディクリームを塗りましょう。
重曹を使ったケア
重曹とは、炭酸水素ナトリウムでできた白い粉状のものです。重曹には、古い皮膚や角質を溶かしたり、肌のターンオーバーを促進させたりする働きがあります。
そのため、重曹で膝パックをおこなうと、膝の角質が厚くなった黒ずみの改善が期待できるでしょう。重曹には食用と掃除用、医療用、工業用の4種類あり、黒ずみケアに適しているのは食用です。膝パックのやり方を次にまとめました。
- 重曹大さじ2に対してぬるま湯を大さじ1〜2追加
- クリーム状になった重曹を膝に塗布
- そのまま5〜10分程度放置
- ぬるま湯で重曹を洗浄
重曹パックのあとは、必ずボディクリームで保湿しましょう。重曹には保湿作用がないため、保湿ケアをしないと乾燥による黒ずみの原因になります。
クリニックでの治療
膝の黒ずみはクリニックでの治療でも改善できます。治療の種類はクリニックごとに異なりますが、ケミカルピーリングやレーザートーニングが人気です。ケミカルピーリングは、医療用の薬剤を塗り、古い角質を除去する治療で、1回の治療で効果を実感する方が多い傾向にあります。角質による黒ずみに悩んでいる方におすすめです。
レーザートーニングは、弱いレーザーを膝に照射し、メラニン色素を減らして黒ずみを除去します。1回では黒ずみを改善できないため、複数回の治療が必要です。紫外線や摩擦などにより、色素沈着を起こした黒ずみの治療に向いています。
どの治療が適しているかは個人差があるため、気になる方はまずクリニックの無料カウンセリングを受けてみてください。
ボディスクラブの使用
ボディスクラブは古い角質を除去できるため、黒ずみケアに効果的です。週1〜2回の使用が推奨されているため、毎日は使用しないようにしましょう。
ボディスクラブは全身の角質ケアに使用できますが、黒ずみが気になる膝のみに使用する方法でも構いません。
オイルラップでの保湿
オイルラップを膝におこなうと、集中的に保湿ケアができるため、乾燥による黒ずみを防げます。
ボディ用のオイルを多めに膝へ塗り、ラップで膝を覆いましょう。10〜15分程度おいたらオイルを拭き取るか、洗い流してケア完了です。洗い流す場合は保湿ケアも忘れないでください。

膝の黒ずみに効くおすすめボディクリーム5選

膝の黒ずみに効くおすすめのボディクリームは次の5種類です。どのボディクリームを選ぶべきかわからない方は、次の5種類をぜひ参考にしてください。
メサイア
メサイアは膝を含めた全身に使用できる、黒ずみケア用のクリームです。豆乳発酵液とヒアルロン酸Naが配合されており、Wの成分が膝の黒ずみへアプローチします。
そのほか、7つの保湿成分や5つの美容サポート成分も配合されており、30gで2,800円程度で購入可能です。朝晩の2回、膝へ適量塗布してください。
ニベアクリーム
青い缶が特徴的なニベアクリームは、保湿成分としてホホバオイルやスクワランを配合しています。こっくりとしたテクスチャーが特徴的で、肌にうるおいを与え、乾燥による黒ずみをおさえる効果が期待できるクリームです。
缶タイプのほか、チューブタイプもあります。価格は内容量によって異なるため、ドラッグストアやネットショップでチェックしてみてください。
Puchinon
Puchinonはお尻用の黒ずみケアジェルですが、膝にも使用できます。グリチルリチン酸2Kを含めた光線症成分や、水溶性プラセンタエキスなどの美白有効成分が配合されているジェルです。
肌に刺激を与える可能性がある7つの成分が無添加のため、敏感肌の方でも使いやすいでしょう。50gで3,000円程度で購入できます。
薬用ボディピンク
薬用ボディピンクは、L-アスコルビン酸2-グルコシドを有効成分としたボディクリームです。医薬部外品であり、有効成分が一定量配合されていることが証明されています。
アレルギーテスト済みのため、肌への優しさにこだわる方におすすめです。50gで4,000円程度で購入できます。
イビサクリーム
イビサクリームには、有効成分としてトラネキサム酸が配合されています。そのほか、有効成分グリチルリチン酸2Kも配合しているため、美白と肌荒れケアを同時におこないたい方におすすめです。
デリケートゾーンにも使用できます。35gで4,500円程度で購入できます。

ボディクリームを膝の黒ずみ消しで使用する際のポイント

ボディクリームで膝の黒ずみケアをおこなう際のポイントは次の3つです。
敏感肌の方は重曹の使用は控える
重曹パックは角質ケアによい方法ですが、敏感肌の方にとっては刺激となる可能性があります。
肌荒れを防ぐために、敏感肌の方は使用を控えてください。
継続して使用する
ボディクリームによるケアは、1日で黒ずみが消えるものではありません。継続して使用して、徐々に黒ずみケアの効果が出るものです。短期間で効果を求めず、毎日コツコツと続けましょう。
複数のクリームを同時に使用しない
複数のクリームを同時に使用すると、成分の相性がよくなかった場合、正しい効果が得られません。複数のクリームの同時併用は避け、1種類のみを使用してください。
まとめ
膝の黒ずみは摩擦や刺激、乾燥など、さまざまな要因によって起こります。一度黒ずみが起こると改善までに時間がかかるため、黒ずみを作らないような生活を心がけましょう。
ボディクリームやオイルパックなど、自宅でできるケア方法は多数あります。コツコツ続けて、黒ずみの気にならない膝を目指してください。
